オープンイノベーションを使ったワークショップ「イノベーションを地元で起こせ!」が2月9日、オンラインで開かれる。
同イベントは、倉敷市が高梁川流域の企業と企業、大学やベンチャー企業など技術や資源を生かした新しい産業を作り出す取り組みとして「高梁川流域CROSSING」事業の一環で行う。ウェブ制作やデザイン、飲食事業「KAG」や靴下の企画販売「くらしきぬ」などを手掛ける「クラビズ」(倉敷市阿知3)が開催する。
倉敷・笠岡・高梁の3回シリーズで行い、今回は2回目。事業者からの課題を提供してもらい、参加者と新しいアイデアを考え、事業体の内部だけでできなかった新事業や技術革新へとつなげる。
オープンイノベーションについての講義とワークショップのファシリテーションを務めるのは、男性用下着メーカー「TOOT」(東京都渋谷区)の社長・枡野恵也さん。枡野さんは、東京大学法学部卒業後、コンサルティング会社「マッキンゼー」に勤務した。ベンチャー企業の参画やデニムブランド「ETERNAL(エターナル)」(倉敷市児島)の事業再生など行う。昨年、倉敷市へ移住した。
今回の課題は、笠岡市の「空港を活用せよ!」。笠岡湾干拓地にある「笠岡ふれあい空港」は、1991(平成3)年に農産物を空輸するために整備された飛行場。全長800メートルの滑走路を持ち、これまでは防災訓練やフライトショーなどを開催した。
前回は、「小田象製粉」(倉敷市児島塩生)が提供した課題「県産小麦を活(い)かせ!」に対し、参加者約30人がアイデアを出し合った。参加者は会社員、事業家、大学生、主婦などさまざまで、小麦を3Dプリンターの材料にする、ビールを製造する、などのアイデアが出た。
倉敷市商工課の石原慎太郎さんは「これまでは企業同士のつながりをつくる取り組みが主だったが、あらゆる人が関わり新しいアイデアを出すところからスタートするのは初めて。新たな事業が生まれることを期待している」と話す。
枡野さんは「企業はオープンイノベーションを使うことで、社外の人との対話から固定観念や偏見のない新たなアイデアを得られる。何かやりたいけど行動できていない、くすぶっている人に参加してもらいたい。定期的に開催することで、刺激を受け、思考が柔軟になっていく感覚を持ってほしい」と話す。
開催時間は13時~17時30分。参加無料。第3回は高梁市図書館で2月22日、「キャビアを売れ!」を課題として行う。