「世界難民の日こいのぼりプロジェクト」が製作したこいのぼりが5月2日、「世界難民の日」に向けてルネスホール(岡山市北区内山下1)に掲揚された。
ルネスホールに掲揚した「世界難民の日こいのぼりプロジェクト」のこいのぼり
同プロジェクトは、ファッションデザイナーで国連UNHCR協会の国連難民サポーターでもある渋谷ザニーさんと、こいのぼりを製造販売する1947(昭和22)年創業の「徳永こいのぼり」(和気町)などが企画した。
こいのぼりのデイザインは、ファッションデザイナーの渋谷ザニーさんが、日本の伝統模様の七宝、青海波、紗綾形(さやがた)だけでなく、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のロゴマークに描かれる手を組み合わせた模様などを組み合わせてデザインした。ミャンマーから1993(平成5)年に政治難民として来日した経緯をもつ渋谷さんは「UNHCRのロゴマークには、両手で守られる人が描かれている。こいのぼりには手だけを描き、守られなければならない難民はもういない世界を表現した」と話す。
ルネスホールの中庭に掲揚されたこいのぼりは、全長4~2メートルの大・中・小の3匹で、全て国連カラーのブルーで染められている。
UNHCRによると現在、ウクライナをはじめ世界で難民・避難民は8240万人に達し、第二次世界大戦後で過去最高の人数。そのうち42%が18歳未満だとされる。
子どもの健やかな成長を祈る「子どもの日」に合わせて、紛争や迫害で故郷を追われた子どもに思いをはせるきっかけとして、こいのぼりを掲揚することにした。渋谷さんは「日本は豊かになったことで、こいのぼりを見上げ、希望や成長を願う習慣が薄れているように感じる。こいのぼりを通して、世界に波及させていきたい」とも。
JR岡山駅で4月26日から、同プロジェクトが3匹のこいのぼりを掲揚している。掲揚はいずれも「世界難民の日」の6月20日まで。