昨年11月で3周年を迎えた共同冷蔵庫「北長瀬コミュニティフリッジ」が1月19日、寄付者への感謝式を北長瀬未来ふれあい総合公園(岡山市北区北長瀬表町2)みはらしプラザで開いた。
北長瀬コミュニティフリッジは、仕事の事情や離婚、介護など生活に困難を抱える人に対して、食料品や日用品を無償提供する活動。商業施設「ブランチ岡山北長瀬」内の駐車場の隣に設置した同施設は、電子ロックを開錠し24時間出入りすることができる。利用者は、岡山県内在住で児童扶養手当または就学援助などを受給している親子。提供する食料品などは、個人・企業・団体からの寄付で賄っている。
現在の利用登録者数は436世帯。1日に利用する人は70~100世帯。フードプレゼンターと呼ばれる食料品などを提供する人は、個人=1410人、企業・団体が=152組織。2022年度の寄付点数は約20万点、総額約4,500万円相当となった。同施設からスタートしたコミュニティフリッジの活動は全国12カ所に広がっている。
当日は、冷蔵庫・冷凍庫を提供する「フクシマガリレイ」、乳製品や冷凍食品などを毎日提供する「日本アクセス」、提供者から現地へ運送する「岡山スイキュウ」、毎月利用者の誕生日会を開く「サンマルクホールディングス」、化粧品を提供する「桃谷順天館」、調味料などを提供する「日本食研」、冷凍ピザや菓子などを提供する「大和リース」、学校内で寄付を募り提供する「玉野光南高校」の9団体のほか、家庭環境が理由で子ども時代に食事を取れない日を経験した人、家庭菜園でできた野菜を提供する夫婦など個人5組に感謝状を贈った。
運営する「北長瀬エリアマネジメント」の石原達也代表理事は「多くの人の『お互いさまの気持ち』がここまで支えてくれた。コロナ禍で職を失い、働く時間が減ったことで、元々いた困窮する人が顕著になった。新型コロナウイルスが5類となり世の中は元に戻った風潮だが、困っている人は減っていかない。何より継続していくことが大事。フードプレゼンターの輪を広げていく」と話す。