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岡山表町商店街の南時計台 撤去が決まり市民が続々お別れに

岡山表町南部商店街振興組合の矢部久智理事長

岡山表町南部商店街振興組合の矢部久智理事長

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 撤去が決まった岡山表町商店街の「南時計台」(岡山市北区表町3)に現在、市民が続々とお別れに訪れている。

撤去が決まった岡山表町商店街の「南時計台」1

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 表町商店街には、1991(平成3)年に設置された北時計台のほか、天満屋入り口付近の「アリスの広場」の時計、西大寺商店街入り口にアーケードからつるした時計がある。南時計台ができた正確な時期は分かっていない。1999(平成11)年12月に現在のアーケードが設置され、現在の姿となった。1990(平成2)年の写真では、アーケード設置前でサーカスドームはなく、四角い時計が上部に設置されていた。

 岡山表町南部商店街振興組合理事長で、文房具店「ソバラ屋」店主の矢部久智さんは「1971(昭和46)年の写真では、時計台があることが確認できる。1960(昭和35)年の写真には、先輩たちから『上って遊んでいた』と聞いた、看板の上に時計が付いたバージョンの時計台が写っている。岡山博覧会があった1928(昭和3)年の写真も入手したが、時計台は存在していなかった」と話す。

 時計台の撤去については、岡山芸術創造劇場「ハレノワ」のオープンの日程が決まった3年ほど前に議論が始まった。「どうやって楽しく商店街を歩いてもらうか、どんな場所にしていくか」を考え、昨年4月から服部管楽器やパフォーマンス集団「ASOBIBA(アソビバ)」などにより、音楽や大道芸などステージを展開する「表町アーティスト」を展開。今後は、イベントなどを開きたい人を募り、商店街を一緒に盛り上げていくという。

 「千日前には映画館が6館はあった。時計台で待ち合わせをして、映画や食事、デートに出かけていたという。現在、時計台にメッセージを貼ってもらっている。60代や70代の人の『懐かしい』『寂しい』という声もあるが、通勤・通学でいつも前を通っているという若い人の声ももらう。時計台はなくなっても、『ワクワクが始まる場所』として、ハレノワと商店街をつなぎ、商店街と市民をつなぎ、パフォーマーと市民をつなぐ場として愛され続ける場所にしたい」とも。

 2月19日に囲い工事が始まり、3月22日に完成予定。工事後は、ライブパフォーマンスや発表会、大道芸を披露する5メートル四方のステージを設置できるようにするほか、マルシェの開催もできるようにする。中心部には、「ハレノワ」や路面電車の駅、バスステーション、JR岡山駅などを載せた地図を埋め込む。

 矢部さんは引き続き、南時計台の古い写真を募集する。

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