岡山シーガルズに所属する川島亜依美選手と宮下遥選手の引退記者会見が5月16日、岡山プラザホテル(岡山市中区浜2)で開かれた。
岡山シーガルズに所属する川島亜依美選手と宮下遥選手の引退記者会見の様子
岡山シーガルズは1999(平成11)年、実業団チーム「東芝シーガルズ」の活動停止を受け、シーガルズとしてスタート。2001(平成13年に岡山市を本拠地とし、2006年(平成18)年に岡山シーガルズと名前を変更。100以上の企業団体と個人などがスポンサーとなる市民クラブチーム。
設立から河本昭義監督が率い、Vプレミアリーグで2013(平成25)年と2019年の2度の準優勝。今年5月に行われた第72回黒鷲旗(くろわしき)全日本男女選抜バレーボール大会で優勝を果たした。両選手は同試合を最後に引退を表明した。
川島亜依美選手は、背番号28番、ミドルブロッカー。高校卒業後、2009(平成21)年に岡山シーガルズに入団。2013(平成25)年にワールドカップ・アルジェリア戦に出場。2014年・2016年も代表登録される。2019年から引退まで、岡山シーガルズのキャプテンを務めた。
宮下遥選手は、背番号14番、セッター。中学校入学後、河本監督と出会いセッターに転向。2009(平成21)年に中学3年生で岡山シーガルズに選手登録。15歳2カ月、Vリーグ史上最年少でデビューした。2010(平成22)年に日本代表に選出、2016(平成28)年には正セッターとしてリオデジャネイロオリンピックに出場し、5位となる。2020年から岡山シーガルズの副キャプテンを務めた。
当日は、両選手からのあいさつ、河本監督のコメント、花束贈呈が行われた。会場には、デビュー戦やワールドカップ、オリンピックなどプレーする写真も展示した。
河本監督は「川島キャプテンの素晴らしいところは、今回優勝してもベスト6に選ばれていないことで分かる。優勝できることが分かっても、個人の評価を得るための自己アピールのプレーをせず、チームの優勝に貢献する姿勢にある。強くスパイクを打つことを頑張っていたが、中学生の頃、コントラバスを演奏していた経験を生かした指で弦を弾くようなボールへの力の伝え方を教えた」と思い出を話した。
「宮下選手は、母の背中に隠れるような少女だったが、オリンピックに出ることが夢だと当時話すほど、負けん気が人一倍強かった。レシーブがうまいのは、読みがいい証拠。セッターに転向することを勧めた。試合中、前歯を折りながらでもプレーを続けたこともあった。14歳からトップの世界に入り、戦ってきたことは大きな財産だった」とも。
このほか、引退を決意した時期、思い出の試合3選を話したほか、河本監督への感謝の気持ちを伝える中、宮下選手は「素直に監督の言葉を聞けない時期があった」と言葉を詰まらせる場面もあった。両選手とも今後の活動については未定としたものの、「監督、応援してくれたファンと心は共にある」と話した。