「セミの抜けがらをさがそう!」が7月20日、「こどもの森」(岡山市北区学南町3)で開かれる。主催はNPO法人「岡山市こどもセンター」(久米)。
同イベントは、岡山市中心部にある「こどもの森」の豊かな自然を多くの子どもが体験するイベントの一つとして2012(平成24)年に始めた。約2.6ヘクタールある公園を全員一緒に歩き、飛ぶことのないセミの抜け殻を集める。E.Cオーシャンズの「まさにい先生」こと多田正和さんと一緒に探し記録する。これまで10年以上の数を記録している。昨年は、クマゼミ=161個、アブラゼミ=55個、ニイニイゼミ=22個、ツクツクボウシ=0個の抜け殻を集めた。
多田さんは「50代以上の人に聞けば、セミの鳴き声はジリジリジリからシャーシャーシャーに変わったと聞く。10年以上のデータが集まってきて、なぜ多い種類と少ない種類がいるのか、どこにセミがいるのかなど、子どもたちと振り返りの時間も大切にしている。専門家だけが研究するのではなく、シチズンサイエンス(市民科学)と呼ばれる一般が観察し、考えてみることを親子で実践できる場にしたい」と話す。
同NPO専務理事の道仙八代己さんは「岡山市内では、子どもが自然に触れる体験が少なくなっている。市内中心部に自然の残る公園として、こどもの森の自然環境の保全もしていきたい」と話す。
7月28日には、同団体スタッフの島田夏実さんが進行役を務める「セミと遊ぼう! ~とる・みる・しる~」(9時30分~11時30分)も開催。子どもが5~6人入れる蚊帳を木々の間に設置し、採ったセミを放ち、手で捕まえるなど触れ合う機会を設ける。
多田さんは「セミは、数十年前に一番多かったアブラゼミが減り、クマゼミが増えたといわれている。これまで当たり前とされていたセミの地上での寿命について、笠岡高校の生徒が32日観察したニュースもあった。セミの研究者はあまりいないといわれ、毎年、数を数えているだけでも、何かが見えてくるかもしれない。子どもの体験と自然環境への意識が高まるイベントになれば」とも。
開催時間は9時~11時30分。参加費は500円。