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総社の岡山郵便局に大型蓄電システム 二酸化炭素年間1000トン削減へ

パワーエックスの伊藤正裕社長

パワーエックスの伊藤正裕社長

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 岡山郵便局(総社市長良)が10月9日、大型蓄電池を使ったシステムの運用を始めた。

パワーエックスの伊藤正裕社長と日本郵便の砂孝治中国支社長

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 岡山総社インターチェンジ流通センター内に2017(平成29)年、一般向け窓口、ATMを設けない郵便局として開局した同局。岡山県内と広島県東部からの1日200万通の封書と7万個の荷物を取り扱う24時間稼働の物流センター。全国2万4000ある拠点のうち、西日本最大の規模。大型蓄電池の導入は日本郵便として初の試みとなる。

 今回導入したのは、蓄電池製造など行う「パワーエックス」(東京都港区赤坂)のシステム。同社は今年春、蓄電池を組み立てる工場の本格稼働を玉野市内で始めた。新たに設置した商品「メガパワー」は、新工場と同じ玉野市にある三井E&S玉野事業場で組み立てた長さ6メートル、幅2.5メートル、高さ3メートルの20フィートコンテナサイズ。重さは約29トンで、リン酸鉄リチウムイオン電池を使用している。

 今回の運用は、陸上風力発電所「秋田国見山第一風力」発電所や太陽光で作った電力を同社の系統蓄電所に蓄え、送電する売電システムを導入。これにより、再生可能エネルギーのクリーンな電力を蓄電することで安定的に供給できるという。

 さらに、施設内に蓄電池を置くことで、年間のピークカットと売電タイムシフトも行う。電気の基本料金は、夏の冷房稼働時期と冬の暖房稼働時期は年間で一番電力消費量の増える時のピーク時を基準とした支払われる。需給バランスを見て料金の安いタイミングの電力を蓄電池に蓄え、施設の電力消費ピーク時に使い、ピーク時の電力量を抑えることコストカットを狙う。人工知能が電力の消費状況を学び、予測しながら最適化していくという。

 岡山郵便局では年間1億円を超える電気料金を支払っている。同システム導入により、最大2割を目標に削減できるという。日本郵便は、温室効果ガスを2019年の80万トンから2030年までに46%削減の43万トンにする計画を立てており、同システム導入で年間1000トンの温室効果ガスを削減できることで、カーボンニュートラル化に取り組む。

 パワーエックスの伊藤正裕社長は「蓄電池と再エネ電力供給の両方のサービスを提供するのは初めて。メード・イン・岡山の電池が岡山県内で稼働するのはうれしい」と話す。

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