見る・遊ぶ

岡山県立美術館で平子雄一展「オリジン」 毎土曜は対話型鑑賞も

現代美術作家の平子雄一さん

現代美術作家の平子雄一さん

  • 9

  •  

 岡山出身の現代美術作家・平子雄一さんの個展「平子雄一展ORIGIN(オリジン)」が現在、岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で開かれている。

平子雄一さんの個展「平子雄一展ORIGIN(オリジン)」で対話型鑑賞1

[広告]

 平子さんは1982(昭和57)年生まれ。1999(平成11)年にロンドンに渡り、街路樹や公園の木や草花など、人の手で整備された植物を「自然」と呼ぶことに違和感を覚えたことから、自然と人間の共存関係をテーマに作品を制作するようになったという。2006(平成18)年にロンドンウィンブルドン大学で絵画を専攻。現在は東京を拠点に、韓国、台湾、イギリス、アメリカなど、国外でも作品を発表している。2020年には新進作家に贈られる岡山県の「I氏賞」の大賞を受賞。

 同展は2023年に発表した「岡山芸術創造劇場ハレノワ」(表町3)の常設展示作品「Leaf Shape」、昨年の「奈義町現代美術館」(勝田郡奈義町)の「IDEAL LANDSCAPE 平子雄一展」に続く、岡山での大規模個展となった。同展タイトルの起源を意味する「オリジン」は、制作の起源となったロンドン時代の植物や人間を含めた自然へのアプローチの意味と、出身地である岡山への回帰の思いから名付けた。

 会場は6エリアで構成し、約400点を展示。立体作品のエリア、立体作品と平面作品のエリア、高さ約3メートルのキャンバス作品が4枚壁面に並ぶエリアなどから成る。作品には、頭部が樹木、体が人のような姿をしたキャラクターが登場する。平子さんは「現在の自分が持っている力を全て出し切った。作品は鑑賞者に委ねる」と話す。

 期間中の土曜(11月8日を除く)には、対話型鑑賞ツアーを行う。対話型鑑賞とは、ファシリテーターを中心にグループで感想などを対話しながら鑑賞する方法。1980年代に「MoMA(ニューヨーク近代美術館)」の教育部長らよって開発された。同展では、「みるを楽しむ!アートナビ岡山」がツアーを運営する。

 9月20日に行われた対話型鑑賞には28人が参加。参加者は「木をモチーフにしたキャラクターが、犬や猫と食卓を囲んでいる。楽しそうな雰囲気だが、キャラクターには目も口もなく、笑っているのか、それとも怒っているのか。青いカボチャや赤いメロン、実が黒いパイナップルなどおいしくなさそう」などと話した。ナビゲーターの福島美香さんは「作品はキャプションがなく、対話型鑑賞に向いている。鑑賞者の数だけ解釈があり、考えは一つでなくていい」と話す。

 開館時間は9時~17時(10月25日は19時まで)。入館料は、一般=1,500円、65歳以上・大学生=1,300円、高校生以下無料。11月9日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース