イオンモール岡山・未来スクエア(岡山市北区下石井1)で11月14日・15日、防災イベント「Never Happen is never 熊本地震から学び考える岡山の防災」が開催された。主催は岡山大学地域総合研究センター。
防災deお買い物 in イオンモール岡山の看板を持つ山田一隆准教授
岡山大学の前田芳男教授は、熊本大学出身で2014年4月から同大学に勤務。家族は2016年4月の熊本地震で被災している。同年6月・7月・10月に学生5人を連れボランティア活動を行った。地域活動支援センターNPO法人「にしはらたんぽぽハウス」(熊本県阿蘇郡西原村)での炊き出しのボランティアなどを行う中で、写真家・長野良市さんと出会い、岡山で写真展を開く約束をしたという。
当日は、熊本阿蘇出身の長野さんによる熊本地震とそれ以前の阿蘇の写真約40点を展示。「写真と対話してほしい」という長野さんの写真に、来場者は「報道されない熊本の状況に心をえぐられる。何か準備をしなければという思いになった」と話していた。
学生が作製したパネル展示では、英語表記にした外国人向けの防災心得や、ハザードマップから作った浸水予想目安、避難生活を行うことになったらどうすればいいのかなど、実際に熊本で感じてきたことを伝えた。
今年8月、2泊3日で熊本大学の大学生から避難所運営の経験をヒアリングした岡山大学4年生の梶本夏未さんは「岡山は災害がなくていい場所。でも『絶対ないは絶対ない』ということを教わった。だからこそできる限りの準備が必要。自分と親にも防災グッズを買った」と話す。
前田さんは「岡山は災害が少ないが、熊本の人もそう思っていた。想像以上のことは人間にはできないので、熊本の例から自分が被災した時のことを想像してほしい」と災害への備えについて話す。「恵まれた環境に感謝し、防災・命の大切さを岡山から発信できるようになってほしい」とも。
両日とも、災害時に3日間家族が生き延びるために必要だと思うものを各人が予算内で購入し、講評するイベントも行われた。企画した同大学の山田一隆准教授は「家族構成・年齢・どんな場所に住んでいるかなど人によって答えは違う。災害時のためでなく、日常使っているものを少し多めに買っておくという心掛けだけで防災はできる」と話す。