岡山後楽園(岡山市北区後楽園、TEL 086-272-1148)で2月7日、早春の恒例行事「芝焼き」が行われた。
作業員がたいまつで芝生に火をつけると、勢いよく燃え広がり、白い煙に包まれながら黒一色の景色に様変わりした。約1.8ヘクタールの芝生が約2時間かけて燃やされる様子を、写真愛好家らが見守った。
「芝焼き」は芝生の手入れの一環として、1965(昭和40)年から続けられている。枯れた芝を焼くことにより、燃やした芝の灰は肥料となって土壌のカリウムを補うほか、芝に付着する害虫などを駆除し、芝面が一様に整って4月上旬に出そろう新芽が一律になるという。
同園事務所所長の野崎正志さんは「しばらく雨・雪が降らず芝がよく乾燥していたため、順調に燃え広がった。一年に一度だけ炎が上がって迫力があり、真っ黒に変わる後楽園の様子は何度見ても印象的」と話す。
岡山市中区在住の60代男性は「初めて芝焼きを見にきた。たき火をする機会もなくなり、炎の暖かさを久しぶりに感じた。芝生が芽吹く春が待ち遠しい」と話した。