岡山市奉還町にある「ONSAYA COFFEE」(岡山市北区奉還町2)が10周年を記念してロゴマークなどデザインを刷新した。
2008年2月29日にオープンした同店は、問屋町店・鹿田町店(岡山大学内)・津山店・表町店の5店舗でコーヒーの提供やコーヒー豆の販売などを行っている。オーナーの東宏明さんは「10年を迎え、この街に無くてはならない存在へもう一度ゼロベースで考えようと思い、COCHAE(コチャエ)の軸原ヨウスケさんにロゴを依頼した」と話す。
東さんが29歳のころ、カフェといえば若い人がカップルで行くもの、喫茶店といえば常連のおじさんたちだけが行くものというイメージだったという。誰でも日常的においしいコーヒーが飲めるカフェを目指し、開店前にはスターバックス、すでに閉店してしまった自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「カフェ・カーネス」(京橋)など数店に勤め、約2年間学んだ。独自に焙煎について学び、オープン3年目には当時まだ少なかった自家焙煎を始めた。
店名のONSAYAには「音茶屋」という表には出していない漢字表記がある。東さんは音楽好きで、各店の内装イメージを音楽からインスピレーションをもらっている。一方でアルファベット表記にしたのは、リチャード・グルーブ・ホームズの曲「ONSAYA・JOY」から着想を得たという。東さんは「奉還町店の1階は30~40年代のブルースをイメージし、2階は少し新しい50年代のモダンジャズ、映画『ラウンド・ミッドナイト』をイメージしている。コーヒーも音楽も特別なものではなく日常にあるもの。日常を豊かにしたい」と話す。
新しいロゴデザインは象形文字の「音」の字の下半分。現在の「日」の部分にあたるところをイメージして作られている。軸原さんは「サイと呼ばれ神にささげる祝詞を収める箱で、かすかに音が鳴っている様子を元にしている。ささやかな音や日常を大切にするという意味を込めた」と話す。
今後について東さんは「これまで以上に気軽においしいコーヒーが飲まれる環境を作っていきたい。コーヒーを飲んで休憩をする。その時間のもたらす価値は高い。高い価値を提供できるバリスタの地位向上も一つの目標」と話す。
ロゴマークの変更に伴い販売用のコーヒー豆パッケージも変更。5種類のポスター(各300円)も月替わりで販売する。10周年記念ブレンド(200グラム、1,380円)は「華やかだがひとくせある味わいにした」という。