「COCHAE(コチャエ)15周年展」が12月1日、CCCSCD(岡山市北区石関町)で始まった。
2003年にデザインユニット「コチャエ」を結成することになった作品から歴代の作品100点以上を展示する同展。
軸原ヨウスケさんが、高校時代の友人で折り紙の得意な光森康郎さんと武田美貴さんと一緒にフリーペーパーを作ったことから結成した同ユニット。切り離して折ると写真をコラージュした鳥になる作品を見たファッション雑誌「装苑」から連絡があり、同年のアートニューカマーとして掲載されるタイミングでユニット名を「COCHAE」とした。3人とも岡山出身であったことと、軸原さんが備前太鼓歌「こちゃえ」のファンクバージョンのレコードをよく聞いていたことから名付けたという。
一枚の紙から折り方を変えることで何種類もの顔に折れる折り紙「FUNNY FACE」は、2008年グッドデザイン賞を受けた。軸原さんは「無地の折り紙にイラスト入れることで楽しく形を作ることができるようになった。一方で完成形が一つとなり、自由に折ることができなくなった。同じ折り紙を使っても完成形がたくさんある折り紙を作れたことは新しい発見となった」と話す。
コクヨと共同開発した「トントン紙ずもう」は日本の郷土玩具をアレンジした作品。会場ではこのほか、「三鷹の森ジブリ美術館」「ポーラ美術館」「長谷川町子美術館」などミュージアムショップでしか買えない作品や、鬼太郎や広島カープ、ルノアール展限定の作品も紹介する。
2012年には最上稲荷(岡山市北区高松稲荷)で発売した山方永寿堂「きびだんご」をスタートにして、同商品のパッケージデザイン手掛けることになった。「桃から桃太郎が飛び出してくるという桃太郎のストーリーをパッケージで表現した。おみやげでストーリーを持って帰ってもらえるように工夫した」と軸原さん。
高梁市にある佐藤紅商店の柚子コショウ「吹屋の紅だるま」のパッケージデザインや同市宇治町のもち麦、もち麦ビールなどのパッケージデザインも手掛けている。軸原さんは「東京から戻ってきて岡山独自の仕事ができてうれしい。おみやげ物のパッケージデザインや商品開発など、パッケージやデザインを通して嘘のないストーリーを世界に発信していきたい」と意欲を見せる。
開催時間は10時~19時。入場無料。1月6日まで。