写真家・青地大輔さんの初の写真集「瀬戸内の光」が8月14日、発売された。
2004(平成16)年から2016(平成28)年まで、瀬戸内海の犬島でのアートプロジェクト「犬島時間」を開催しながら、多くのランドスケープを中心に撮影を行ってきた。同書には、2008(平成20)年くらいから最近撮影したものまで30枚以上の写真を64ページに収録している。
表紙は、犬島精錬所跡の煙突を背景に夜光虫の光る海の写真。夜光虫は海洋性のプランクトンで、きれいな瀬戸内海では発生頻度が低い。また刺激を受けて青く光るため、波の穏やかな瀬戸内海では発生しても気付きにくいという。
青地さんは「芸術祭などに多くの人が訪れるようになった。夜の海、島、空、星など。まだ多くの人が気付いていない魅力が瀬戸内にはたくさんある。夜空を見上げてゆっくり流れる気持ちの良い時間を、瀬戸内の財産として大切にしてほしい」と話す。
岡山側から瀬戸内海の島越しに見た高松の花火大会や、望遠で撮った明石海峡大橋と月、流れ星の一種である火球、横たわる天の川、だるま夕日など気象条件や季節など偶然性の高い写真も多い。「何度も何年もかけて撮った写真も多い。気温がマイナスになるような日もあれば、険しい道を歩いて行くこともある。美しい写真を撮りたくて何度も通ってしまう」とも。
価格は2,700円。書店やインターネットで扱っている。