タグチ工業(岡山市北区平野)の社内報「ガジラ通信」が9月1日、4周年を迎えた。
同社は1957(昭和32)年に創業し、解体作業などに使われる油圧ショベルカーの先端部・アタッチメントの設計・製造、販売・レンタル、保守メンテナンスなどを行う。2015(平成27)年からスタートしたプロジェクト・重機型巨大ロボット「スーパーガジラ」は、夏イベントお台場夢大陸に参加した。グッドデザイン賞2018では、鉄骨・鉄筋コンクリートを切断できるアタッチメント「ガジラDSカッター」とビルの解体現場で出る鉄筋などを磁力で回収する「マグ・ゴン」がダブル受賞した。
岡山県内だけでなく、全国20拠点ほどの約200人の従業員に向けて社内報を配布している。今号は3000部発行し、「ONSAYA COFFEE」(奉還町2)、「カフェZ」(南区浜野)、「珈琲(コーヒー)と人」(総社市)などのカフェや「倉敷自動車教習所」(倉敷市中島)、「中国デザイン専門学校」(岡山市北区船頭町)などと東京、茨城、愛知、大阪、広島、香川、山口のカフェなど約40カ所に設置している。
今回から、表紙は外部クリエーターが担当している。写真家の若林邦治さんが、本社向かいにあるコンビニエンスストアに向かう同社の社員を2日間にわたり撮影した、会社の日常を切り取った写真が使われている。
特集は「特許のココロ」。同社の田口詠子さんは「一部の人しか知らないプロジェクトや活動を解説している。社外の人はマニアック過ぎて分からないと思う」と話す。「岡山グルメ探訪記」は丸山磯子さん、「すみっこ鑑賞入門」は内海慶一さん、「映画に完敗」は黒住光さんと村上めぐみさん、「右手がGの男」は赤星豊さんと、外部ライターやイラストレーターが制作に参加している。
田口さんは「カップ麺のふたを集めている製造部の社員や、社員のイラストを描いてくれる品質保証部の社員など、いつものコミュニケーションだけでは知り得ない人柄も知れた。経営幹部の言葉をかみ砕いて伝えることや、技術や知識のスタンダード、ヒストリーを伝えることで、世代間や部署間のコミュニケーションが増えることを期待している」と社内報としての意義を話す。
「気軽にカフェで読んでもらい、楽しんでもらいたい。堅苦しい会社説明や形式張った説明書より有効な営業ツールになることもある。あくまで社内報なので、マニアックな内輪ネタを今後も丁寧に記事にする」とも。