窪八幡宮(岡山市東区久保)のみこし巡行が10月13日、約60年ぶりに行われる。
859(貞観元)年創建の同神社は今年で1160年を迎える。石清水八幡宮(京都府八幡市)や琴崎八幡宮(山口県宇部市)と同時期に建立され、宇喜多直家、宇喜多秀家、池田光政など岡山にゆかりのある人物も参詣したといわれている。
同神社に納められているみこしは1895(明治28)年に大阪で作られた物で、境内に保管してあったが約60年間使われることはなかったという。重さは約300キロ、担ぐには30~40人の大人が必要になる予定。
宮司の本間裕康さんは約5年前に窪八幡宮の神職となった。介護福祉の業界にいたという本間さんは「神社のあるような場所で高齢者介護施設をやりたいと思っていたら、ご縁がつながり神職にとなり窪八幡宮にたどり着いた。以前は現在のような祭りはなく、地域とのつながりも薄れてしまっていた」と話す。
当日は13時から会陽太鼓の「和太鼓奉納」が行われる。会陽太鼓は、日本三大奇祭の一つといわれる「西大寺会陽(はだか祭り)」に男たちを鼓舞する太鼓をたたく女性たちの団体。みこしは13時30分ごろから、参道を約500メートル南下した御旅所(おたびしょ)まで練り歩き、桃太郎獅子による「獅子舞奉納行」も行う。
12日は、かがり火の下、岡山学芸館高校和太鼓部が和太鼓演奏を行う。40人以上の部員が所属する同部では、岡山城で行われる「烏城桃源郷」のオープニング演奏や米国カリフォルニア州サンノゼへの演奏旅行など精力的に活動している。13日は同部員もみこしを担ぐ予定という。
本間宮司は「西大寺観音院までの約2.2キロは、100本の松が植えられた参道があり、かつて二つの寺社を巡る『両参り』が行われていた。訪れることで、何かを感じてもらいご縁を大切にしてもらえれば」と話す。
会場では13日、露店で生ビールやタピオカドリンク、「日乃出醤油」(岡山市東区金田)のしょう油をかけて食べるソフトクリーム「漱石ロードアイス」の販売を行う。