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岡山・長島愛生園でトークショー「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」 共通点は「闇を光に」

「ダイアログ・イン・ザ・ダークin長島」が開かれる長島愛生園「喫茶さざなみハウス」スタッフの鑓屋翔子さん

「ダイアログ・イン・ザ・ダークin長島」が開かれる長島愛生園「喫茶さざなみハウス」スタッフの鑓屋翔子さん

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 トークショー「ダイアログ・イン・ザ・ダークin長島」が2月2日、長島愛生園「喫茶さざなみハウス」(瀬戸市邑久町)で開催される。

「ダイアログ・イン・ザ・ダークin長島」が開かれる長島愛生園「喫茶さざなみハウス」の窓側席

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 1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケさんが発案した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、完全に光を遮断した暗闇にグループで入り、お茶を飲みながらの会話やクリスマスカードの作成、書き初めなど日常にしていることを暗闇の中で行う体験型エンターテインメント。暗闇の中を案内するアテンドスタッフは、トレーニングを積んだ視覚障がい者が務める。

 当日は、同施設代表理事の志村季世恵(きよえ)さんと、東京で2015(平成27)年から「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のアテンドスタッフを務める川端みきさんを招きトークショーを行う。音楽大学卒の川端さんによるオペラライブも予定している。

 ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験して「喫茶さざなみハウス」の鑓屋翔子さんは「暗闇の中で過ごす時間は、最初は怖い。隣の人の方を素直に借りられた。声だけが頼り。見た目はどんな人なのか分からないが、声を通じて分かる優しさや温かさを感じられる」と話す。

 同施設代表の志村真介さんは2017(平成29)年10月、長島愛生園・邑久光明園で開かれた「長島アンサンブル」で「僕らは暗闇から何を見出せるのか?」をテーマに対談。司会にジャーナリストの堀潤さん、パネリストに瀬戸内市長の武久顕也さん、長島町地域おこし協力隊が登壇した。鑓屋翔子さんは「ハンセン病の患者さんは弱い神経部分に感染しやすく、手先・足先のまひや、失明する人もいた。このころから、長島とダイアログ・イン・ザ・ダークに共通点を見いだし始めた」と話す。

 元長島愛生園利用者の近藤宏一さんは、10歳でハンセン病を発症。19歳の時、手指を欠損し失明した。舌を使って点字の楽譜を読み、作曲も行う。1954(昭和29)年ごろ、約10人のハーモニカバンド「青い鳥楽団」を結成。著書「闇を光に」に生涯残した随筆や詩が納められている。詩人の明石海人(かいじん)さんは「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない」と言葉を残した近藤宏一さんと同じく失明した元利用者。

 鑓屋さんは「長島には素晴らしい才能が多くあった。『闇と光』は長島にとって大きなテーマ。ハンセン病による歴史的な差別や身体的な不自由に対峙(たいじ)した強い気持ち、穏やかな瀬戸内海の風景のような優しい素直な気持ちの両方を感じられる。長島愛生園の入所者も高齢化をしており、どうやって伝えていき、どうやって残していくかを考える時期でもある」と話す。

 開催時間は15時30分~18時。参加費は2,000円、盲学校の学生、中学生以下無料。

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