
(ポータブル魚道の設置の様子(2025年7月14日))
株式会社エーゼログループ(以下:「エーゼログループ」)(本社:岡山県西粟倉村、代表取締役:牧大介)は、独立行政法人国立高等専門学校機構 香川高等専門学校(以下:「香川高専」)(所在:香川県高松市)と共同プロジェクトを開始し、「ポータブル魚道普及のための実証研究」に取り組むことをお知らせします。
本プロジェクトは、堰や構造物によって分断された河川において、水生動物が自由に移動できなくなることで引き起こされる生物の減少という課題に対し、持ち運び可能な魚道の開発とその有効性を検証するものです。現場での実証を重ねながら、機動性・汎用性のある構造を目指し、地域の多様な環境に対応できる魚道モデルの構築と普及を進めていきます。
本プロジェクトの先には魚たちが自由に川や水路、水田を行き来し、本来あるべき生態系のつながりが回復された、豊かな自然環境の再生があります。私たちは、こうした仕組みが全国各地に広がっていくことを願い地域関係者や専門家とともに、魚道に関する研修会の開催も今後検討してまいります。
香川高専・建設環境工学科の高橋直己准教授の協力のもと、2025年から2026年6月末までのプロジェクト期間で調査・実験・研究のとりまとめに取り組む予定をしています。本プロジェクトは香川高専およびエーゼログループ西粟倉事業所等で実施されます。2025年7月14日には、西粟倉村内を流れる吉野川において、共同プロジェクト開始後、初となるポータブル魚道が設置されました。今後、効果検証等に取り組んでいく予定です。
エーゼログループはこれまで、地域資源を活かした持続可能な社会づくりを掲げてきました。本共同プロジェクトを通じて、自然と人が共に生きる「未来の里山」の実現に向けた技術と知見の蓄積を進めてまいります。
香川高専は、2009年に高松高専と詫間電波高専が統合して設立され、香川県高松市と三豊市にキャンパスを構える全国最大級の国立高専です。全7学科+2年制専攻科に約1,500名が在籍し、実践重視の工学教育と企業・自治体との連携、国際交流に力を入れられています。
そのなかでも、今回共同プロジェクトでご一緒する「建設環境工学科」は、構造力学・地盤工学・材料工学といった建設基礎に加え、環境工学や防災工学を学び、安全で快適な社会インフラや自然環境の保全に貢献できる技術者を育成を目指されています。
国立高等専門学校機構 香川高等専門学校
建設環境工学科
高橋 直己 准教授
河川や農業水路ネットワークは多くの人々の生活と結びついています。安全で、便利で、豊かな流域での暮らしを実現するためには、多様な人々が川や水路に触れて、対話することが大切です。香川高専高橋研究室とエーゼログループの共同プロジェクトにより、香川高専の学生達が取り組んでいるポータブル魚道の研究成果が、さまざまな地域で人々の出会いや対話の良いきっかけをつくるツールやサービスとして発展していくことを願っています。

(国立高等専門学校機構 香川高等専門学校 高橋 直己 准教授)
株式会社エーゼログループ
生態系デザインチーム
道端 慶太郎
僕たちの暮らす西粟倉村は、岡山三大河川の1つ、吉井川水系吉野川の最上流域にある源流の村です。河口は遥か遠くの瀬戸内海ですが、村の人からは、子供の頃はたくさんの天然ウナギが採れたとよく聞きます。
高橋先生のポータブル魚道は希望です!
これで吉井川から始まり、各地の分断された川をつなぎまくりたいです。全国の中上流域でもウナギやアユ、いろんな魚が登ってきて、大人も子供もはしゃぎながら採って遊べる楽しい世界を目指したいです。

(株式会社エーゼログループ 道端 慶太郎)
株式会社エーゼログループ
生態系デザインチーム
太刀川 晴之
田んぼの中にビオトープを造成することで生きものを増やし、守りながら、子供たちの遊び場や学びの場づくりや田んぼの持つ多面的な価値の最大化を目指す「
ビオ田んぼPJ」に取り組んでいます。
河川と水路、水路と水田がポータブル魚道によってつながることでさらに生きものが増える未来にワクワクしています!地域住民や農業サイドとも対話しながら地域実装することで、豊かな自然を未来に繋いでいくための良いモデルを作っていきたいです。

(株式会社エーゼログループ 太刀川 晴之)