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JR岡山駅前のモニュメント「吉備沃野」 写真集制作に向け協力呼びかけ

NPO法人「音楽の砦」の松原徹さんと名畑俊子さん

NPO法人「音楽の砦」の松原徹さんと名畑俊子さん

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 「さよなら吉備沃野(よくや)フォトコンテスト作品集」の制作プロジェクトが現在、行われている。主催はNPO法人「音楽の砦(とりで)」(岡山市南区当新田)。

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 JR岡山駅東口には1960(昭和35)年、岡山青年会議所が寄贈した桃太郎像が設置された。初代は岡山桃太郎空港に移設され、1971(昭和46)年に岡山西ロータリークラブが寄贈した2代目を設置。山陽新幹線の全線開通を祝い、1975(昭和50)年にピーコック噴水も設置された。2001(平成13)年に新千年紀(ミレニアム)の記念事業として、桃太郎像やピーコック噴水を取り込んだコンテンポラリーアート作品「吉備沃野(よくや)」が制作された。

 吉備沃野は彫刻家・西雅秋さんが制作。桃太郎像を中心として土、木=赤松、石=万成石、陶板=備前焼、当時の全78市町村名を刻んだレリーフ=青銅版、外周=鉄の県内素材を使って、同心円状に配した25メートル以上の作品。万成石と備前焼で作られた2叟の船は、待合のベンチとして使われた。船は、桃太郎が鬼ヶ島に向かう船か、それとも戻ってきた船なのかという議論もあったという。

 昨年1月、同駅前広場に路面電車の乗り入れ事業が決定。今年6月から同作品の撤去を始め、桃太郎像は100メートルほど離れた場所に移設された。同NPO代表理事の松原徹さんは昨年10月ごろ、西さんと親交のある藤井義和さんから「吉備沃野」の作詞・作曲を頼まれる。これまでの経緯などを調べ、藤井さんからキーワードをもらい制作したという。

 その後、同NPOは、吉備沃野の「ありがとう!さようなら!!そしてまたどこかで!!!」を感じる写真を今年3月、4月に募集し、ルネスホール(北区内山下1)で写真展を開催。全96作品を展示した。現在、写真集制作に当たり、吉備沃野の思い出をつづった30文字の文章「私と吉備沃野」を募集しているほか、クラウドファンディングで制作資金を募っている。

 松原さんは「正直、吉備沃野のことは全く知らなかった。2100年に磨き上げられて完成する吉備沃野を途中で失うのは悲しいことからもしれないが、これを機会にまちが多くの人の思いで作られていて、時に風景を変えてしまうこともある。吉備沃野に関わり、新しいものを作り、育み、伝えていくことをしていけることに感謝している」と話す。

 クラウドファンディングは12月10日まで。

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