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岡山出身の作家・上畠菜緒さん 小説「イグアナの花園」出版記念でイベント

小説「イグアナの花園」著者の上畠菜緒さん

小説「イグアナの花園」著者の上畠菜緒さん

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 上畠菜緒さんの小説「イグアナの花園」出版記念トークイベントが3月20日、岡山の書店「bear’s book store(ベアーズブックストア)」(岡山市北区表町3)で開かれた。

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 上畠さんは1993(平成5)年総社市生まれ。島根大学法文学部・言語文化学科在学中は泉鏡花を研究し卒業。2019年、初めて書いた長編作「しゃもぬまの島」で第32回小説すばる新人賞を受賞。昨年9月に「イグアナの花園」を刊行した。

 当日は同店マネジャーで編集者の赤星豊さんと対談。同作のテーマは「婚活、結婚についての物語」。上畠さんは実際にマッチングアプリを使って何度かデートをした。結婚する、家族になるとはどういうことか、友達を作るのとどっちが難しいのかなどを考えたという。

 上畠さんは「主人公と同じで私も結婚願望がない。動物を超えるほど人を好きになったことはない。だからと言って、人間が嫌いなわけではない。人間は大好き。興味を持って観察し、蓄積しているデータからキャラクターが作られる。人間はよく分からないところがあり興味深い」と話した。

 会場には、同書を読書会の課題図書にしたという人のほか、上畠さんの両親も来場した。「小さい頃からほぼ毎日、夢を見る。母によく夢の話をしていた。高校生の頃は、怖い夢は友人に話すと受けが良かった」とも。

 上畠さんは「今後は現実的な怖さ、悲しい現実を表現していく。2カ月ほど前から考えている設定が悲し過ぎて、もう一度練り直そうと思っている。人間の常識が通用しない世界観が気に入っている。泉鏡花のような小説が書けたら」と話す。

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