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「岡山芸術交流」で対話型AIとアート鑑賞 「AIくらとりさん」と会話

ブリッジウェルの井内恵理さん

ブリッジウェルの井内恵理さん

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 岡山市などが主催する「岡山芸術交流」で現在、対話型AIを使ったアート鑑賞などをパブリックプログラムとして利用することができる。

対話型「AIくらとりさん」を使用する様子1

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 岡山芸術交流は2016(平成28)年にスタートし、3年に1度開催している。4回目となる今回のテーマは、村上春樹さんの著作「1Q84」に登場するキャラクター青豆に触発された「青豆の公園」。国内外のアーティスト31人が参加し、旧内山下小学校の校庭や岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、岡山神社、岡山県立図書館、表町商店街の店舗などを使って、60日間にわたり開催している。

 同パブリックプログラムは、岡山経済新聞を運営する岡山カルチャーカルチャーが提案し採択された事業。ウェブサイトで3種のアート鑑賞方法を用意する。

 対話型AIを使ったアート鑑賞は、岡山出身者が設立した「ブリッジウェル」(東京都江東区)が提供するAIプラットフォーム「ToyTalk(トイトーク)」を使い、岡山大学学術院環境生命自然科学学域の講師・松田裕貴さんが学術監修し生成したアート鑑賞「AIくらとりさん」と音声、テキストのいずれでも体験することができる。「AIくらとりさん」は、川内有緒さんの著書「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」に着想を得て全盲のアート鑑賞愛好家として設定した。

 ブリッジウェルの井内恵理さんは「アート鑑賞は難しい、分からないという人も多いはず。『AIくらとりさん』は、作品の解説はしない。相手が人間ではないので思ったことを率直に話せるなど、AIの良い面もあるはず。5分間の会話の後で会話内容を要約してくれるので、自分自身の発見になることもある」と話す。

 2種目のアート鑑賞は、ベネッセアートサイト直島(BASN)の対話型鑑賞の認定ファシリテーターによる対話型鑑賞を期間中、行う。対話型鑑賞とは、1980年代にニューヨーク近代美術館(MoMA)で生まれた手法で、ファシリテーターと共に作品を観察し、自由に意見や感想を交換し合い、作品理解を深めていく鑑賞方法とされる。

 3種目のアート鑑賞は、10月26日・11月2日に実施する、視覚障害者とアート鑑賞をするプログラム。10月18日には岡山県視覚障害者センターで映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」の上映会を開く。

 いずれの鑑賞方法でも、ウェブサイトに作品ごとの感想・レビューを残すことができる。他の人がどんなことを感じ、考えたのかが分かる。このほか、村上春樹さんの「1Q84」の読書会を岡山芸術創造劇場ハレノワにあるブックカフェ「CCCSCDゲキジョウ」で、10月9日、11月6日・20日に開く。

 岡山芸術交流は11月24日まで。

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