菓子店「敷島堂」邑久総本店(瀬戸内市邑久町)が1月31日、「厄よけ招福『節分大福』」の販売を始めた。
1948(昭和23)年に和菓子店として創業した同店。どら焼き「夢どら」や、「元祖マスカットきびだんご」など約300種類の和菓子・洋菓子を製造販売している。創業地の邑久町は日本画家・竹久夢二の出生地だったことから、竹久夢二の長男・虹之助さんに許可を得て1973(昭和48)年に発売したまんじゅう「夢二」や、竹久夢二が詩を書いた歌「宵待草」の名を付けた菓子なども作っている。
「節分大福」は10年以上前に、現会長の眞殿重喜さんの妻・京子さんが、いった大豆を使った大福を食べたい要望したことから開発したという。北海道十勝産小豆を使った粒あんを九州産の肥沃米(ひよくまい)で作った餅で包む。価格は1個=130円。
店舗運営部長の木下滋さんは「米から作った餅は弾力のある歯応え、甘さを抑えた粒あんの香り、いった大豆のカリッとした食感を楽しんでほしい」と話す。
期間中、邑久総本店限定で10時30分から約1時間の実演販売を行う。職人が200個の節分大福を目の前で作る。木下さんは「餅の水分を大豆が吸うまでの出来立て10分以内に食べてほしい。京子さんが食べたいと言った、出来立てでしか味わえない幻の味を再現する」と話す。
「和菓子通して季節を感じ、楽しく厄よけをしてもらいたい。米や小豆、砂糖といったシンプルな材料から手間とアイデアを駆使して作り出す職人の技を、出来立ての大福で味わってほしい」とも。年間通して販売する「黒豆ひよく餅」のほか、イチゴ、シャインマスカット、ミカン、スイカ、クリなど季節の大福も販売している。
営業時間は8時~18時。販売は県内7店舗で行う。2月2日まで。