浅口市寄島町の「くにとうの御船を守る会」のメンバーが竜王山のトレッキングコースを整備して2カ月がたった。
「くにとうの御船を守る会」メンバーの佐藤巖さんらと竜王山からの景色
寄島町国頭(くにとう)地区の住宅地から標高289メートルの竜王山山頂まで約2キロにおよぶ同コース。途中にある5カ所の展望台からは瀬戸内海の風景が一望できる。コース入り口には現在、見頃を迎えたアジサイの花が彩りを添えている。
「くにとうの御船を守る会」によると、整備作業は今から約3年前、地元の男性が始めたといい、今年1月から同会メンバーの村上宏一郎さんも参加。道を阻んでいた木や草を刈り、落ち葉をよけて1~2メートル幅の遊歩道を造成し、入り口や道中には地図看板や案内標を設置。4月に作業を終えた。
村上さんは「私たちが子どもだった約50年前、山は遊び場だった。山に付いていた遊歩道はいつの間にか消えてしまっていたが、当時を思い出しながら再生した」と話す。
「くにとうの御船を守る会」は2017(平成29)年、国頭地区の空き家や少子高齢化に目を向け、にぎわい創出を目的に設立。これまで、地域の居場所づくりや、耕作放棄地を活用した農業体験企画などに取り組んできた。団体名は、過疎化に歯止めをかけ、大浦神社(寄島町)の秋の大祭で行う祭事の御船巡行を国頭地区が今後も続けていけるようにとの思いを込め名付けたという。
同会代表の笠原宏之さんは「海辺の町・国頭地区の良さを伝えていきたい。訪れる人と住民のコミュニケーションが増え、地区の開放的な雰囲気を向上していけたら」と話す。
同会では現在、トレッキングコースを掲載した無料マップを、コミュニティースペース「ちょっと寄ってぇ家(や)」などで配布している。