一般社団法人「北長瀬エリアマネジメント」が8月17日、「北長瀬コミュニティフリッジ」でフードギフト事業を始めた。
生活困窮者を対象に食料品や日用品を提供する活動に取り組んでいる同法人は昨年11月、ブランチ岡山北長瀬内にある施設「ハッシュタグ」(岡山市北区北長瀬表町2)に「北長瀬コミュニティフリッジ」をオープンした。
北長瀬エリアマネジメントによると、「北長瀬コミュニティフリッジ」では現在、ひとり親世帯を中心に約390世帯が食料品や日用品を24時間受け取ることができ、1日平均約40世帯が利用しているという。
「フードギフト」は、飲食店などで自分の食べ物以外に購入した商品をチケットとして北長瀬コミュニティフリッジに並べ、利用者はチケットを飲食店に持っていけば食事をすることができる仕組み。
同法人の代表理事の石原達也さんは「イタリア・ナポリでは自分のエスプレッソと誰かのエスプレッソの代金を支払い保留コーヒーと呼ばれるお裾分けの文化がある。自分の好きなカフェや行きつけのレストランの食事を寄付できる仕組みを考案した」と話す。
フードギフト加盟店は現在、ブランチ岡山北長瀬内にあるカレー店「インドダイニングカフェマター」、ピザ店「SUNNY PIZZA(サニーピザ)」、パン店「L.A.MASABAKERS」、奉還町商店街の教室前に無人駄菓子店を開設した複合教育施設「SGSG」(岡山市北区奉還町3)。
「ネパールソサエティ岡山」代表のアチャーリャ・プレム・プラサドさんは同日、北長瀬コミュニティフリッジへカレーのテークアウト無料チケット150枚を贈った。アチャリヤさんは「チケットを遠慮せず、1枚ではなく子どもの数だけ使ってほしい」と話す。
ネパールソサエティ岡山は、2015(平成27)年に発生したネパール地震の際、支援を寄せた日本に対しての恩返しとしてこれまで活動してきた。平成30年7月豪雨の際には、倉敷市立二万小学校(倉敷市真備町上二万)でカレーの炊き出しを行い、昨年はコロナ禍の学生に対して合計200食のカレーを無償提供した。
石原さんは「レストランやファミリーレストラン、スーパーマーケットなど、岡山市内のあらゆる場所に加盟店が増えることを望んでいる。気軽に寄付できる環境づくりと、加盟店の応援にもなる。外食をするという食事体験も提供したい」と話す。