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岡山藩主・池田家がたしなんだ和歌・蹴鞠・楽器の企画展

林原美術館の学芸員

林原美術館の学芸員

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 企画展「遊びの文化~和歌・蹴鞠(けまり)・楽器のたしなみ~」が現在、林原美術館(岡山市北区丸の内2)で開かれている。

「遊びの文化~和歌・蹴鞠・楽器のたしなみ~」展の花短冊和歌

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 同展示は、林原美術館が所蔵する約9000件から初公開13件を含む25件を展示。江戸時代の大名・池田家がたしなんだ和歌・蹴鞠・楽器を3部構成で紹介する。

 第1部では、備前岡山藩・池田家から引き継ぐ和歌の資料を展示。1000件に及ぶという所蔵品の多くは書き手や書かれた経緯などが解明されておらず、関西大学と6年計画で共同研究を進めている。霊元天皇が池田家に贈った短冊や、2代藩主・池田綱政が公家の中院通茂の添削や指導を受けた和歌などを展示する。

 第2部では、まりやまり扇、まり用の靴やはかま、吉田元陳が宮中の蹴鞠の様子を描いた六局一双の屏風を展示する。池田綱政が蹴鞠の指南書を写した「蹴鞠之書」や9代藩主・池田茂政が蹴鞠(しゅうぎく)道の家元・飛鳥井家からもらった「蹴鞠装束免状」なども見ることができる。

 第3部では、漆の下地に金や銀などで絵・文様や文字を描く蒔絵(まきえ)をほどこした琵琶や小鼓の胴を展示するほか、ミニチュア化された楽器や将棋盤などのひな道具、源氏物語や伊勢物語をハマグリに描いた彩色貝なども並べる。

 同館学芸員の槌田祐枝さんは「宮中の貴族社会の文化を江戸時代の大名が受け継ぎ、彩りを加えた。池田藩は国替えが少なかったこともあり、点数も多く保存状態も良い。展示内容は、難しそうに見えるが、遊びを感じてもらい池田家が近くに感じられるとうれしい」と話す。

 会期中は、土曜に学芸員によるギャラリートークを行う。14時開催。関西大学と共催の学術シンポジウム「綱政公の文事・芸事」(3月12日)、三船文彰さんのチェロと小澤千絵子さんの箏(こと)のコンサート(3月19日)も行う。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入場料は、一般=500円、高校生=300円、中学生以下は無料。3月31日まで。

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