吉備国際大学社会科学部の学生らが現在、「高梁市街地立体観光マップ作成プロジェクト」の一環として取り組んだ、デジタルゲーム「マインクラフト」を使って制作したマップデータを公開している。
「高梁市街地立体観光マップ作成プロジェクト」がマインクラフトで作った吉備国際大学
同プロジェクトは、リーダーで同大学4年生の渡邊誉英さんが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン授業が多くなった2020年秋ごろ、高梁市内の寺社仏閣を巡ったことをきっかけに高梁の魅力を伝えようと思い立ち上げた。渡邊さんの思いに賛同した社会学部の4年生・3年生と、同大学の講師・竹岡志朗さんと大西正泰さんが昨年5月から取り組んでいる。
公開しているデータは、高梁市中心部4.6キロ四方エリアの立体観光マップ。渡邊さんによると、1000種類以上あるブロックを使って道路や川、建物を表現したという。国土地理院の基盤地図情報を入手して標高や河川データを統合して地形も再現。実際に街へ出て、GPSデータを取得した。サブリーダーの高原優斗さんは「現在、約60%の完成度」と話す。
マップ上に設定したボタンを押すと、寺社仏閣や喫茶店などインタビュー担当者の福田将大さんが取材した観光情報などを表示。石丸浩毅さんの作るウェブページで見ることができる。現在、八幡神社、山田方谷記念館、カフェレスト「シャトー」のウェブサイトを公開。今後、約30カ所の情報掲載を予定している。
同プロジェクトではこれまで、マインクラフトを使った小中学生向プログラミング教室開催、同大学のオープンキャンパスでのプレゼンを行った。このほか、渡邊さんが描いたイラストを基に制作したユーチューブライブ配信も毎週金曜に行っている。
ブログを使ってサーバー管理の方法やVチューバーの仕組みなど同プロジェクトで学んだ内容の公開も行う。今後、同大学の留学生が協力し、韓国語、インドネシア語、英語で観光情報などを表記することも予定している。
プロジェクトリーダーの渡邊さんは「小堀遠州が作った頼久寺の庭は、実際に訪れて丁寧に作った。JR高梁駅、吉備国際大学、高梁市役所、ループ橋など高梁市のシンボリックな建物は、担当者を決めて約10人で寝食を忘れて取り組んだ。仮想現実の高梁を楽しんでもらい、実際の高梁にも訪れてほしい」と話す。
同マップの完全版は2022年秋ごろ完成する予定という。