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岡山の科学館「サイピア」が10周年 一日限定でプラネタリウム投影

「人と科学の未来館サイピア」の学芸員の岡成美さんほか

「人と科学の未来館サイピア」の学芸員の岡成美さんほか

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 「人と科学の未来館サイピア」(岡山市北区伊島3)が4月29日、10周年を迎えた。

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 同館は2013(平成25)年、旧岡山県立児童会館をリニューアル工事してオープンした。1962(昭和37)年に開館した建物には、化学展示室やプラネタリウムがあり多くの人が訪れていた。老朽化に伴い施設の廃止案が上るが、市民団体による署名活動や、当時投影された小惑星探査機「はやぶさ」をテーマにしたプラネタリウムプログラムが追い風となり、リニューアルすることになった。

 4月28日までの入館者数は90万4441人。同館学芸員の岡成美さんは「平日は学校団体や親子連れが多いが、週末には中高年やカップル、児童会館時代を知る人も訪れる。学校や大学、岡山県環境保全事業団や岡山淡水魚研究会など、各種イベントに協力してくれる団体も増えている。今後もあらゆる世代の人を科学の力でワクワクさせたい」と意気込む。

 サイピアは「サイエンス(科学)」「ユートピア(理想郷)」「ピア(仲間)」から成る造語で、全ての人に科学に親しんでもらいたいという願いから名付けたという。

 1階は、化学や生物、物理、天文のサイエンスショーなどを行う科学体験・学習広場。2階は、プラネタリウムを行う直径15メートルの「サイエンスドーム」を設置。最大で約1000万個の星を映し出せる光学式プラネタリウムと、ロケットの飛行など映像を投影する全天周デジタル映像システムが融合した「ハイブリッド型プラネタリウム」を上映できる。昨年度は、県内外の小中学生、205校1万人以上の児童・生徒が訪れた。

 当日は、同館の代表的な取り組みである学校団体向け上映プログラムを1日限定で投影した。開館当初に学校関係者と一緒に作り上げた4プログラム。プラネタリウムを解説する4人の女性スタッフが1日で全員登場するのは初めての試み。参加者からは「解説者の声色や雰囲気が変わり、4プログラムとも楽しむことができた」などの声が聞かれた。当日は延べ175人が鑑賞した。

 プログラム1「星座早見盤を使ってみよう」では、参加者の手元にある星座早見盤を7月7日22時に合わせ、同日時の星空をプラネタリウムに投影する。星座早見盤を使って、夏の大三角などを探した。

 プログラム2「月や星の動き」では、北斗七星について解説。ゴールデンウイーク中には、21時ごろ北の空の高い位置に見えることや、時間がたっても並び方や形は変わらないことを、投影した星を見ながら説明した。

 プログラム3「夜空の物語」では、1969(昭和44)年にアポロ11号が地球から月に向かう様子や月面に現在も残る宇宙飛行士の足跡などを投影。

 プログラム4「太陽と月」では、月の模型と太陽に見立てた照明で、地球から見える月が満ち欠けする姿を解説した。

 開館時間は9時~17時。プラネタリウム観覧料は、高校生以上=530円、小中学生=110円、未就学児無料。月曜休館。

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