第1回ネオ狂言「ポルチーニ」が7月23日、「能楽堂tenjin9(テンジンナイン)」(岡山市北区天神町)で開かれる。
和泉流狂言師の小笠原由祠(ただし)さんが2006(平成18)年にスタートした「Eenen 延年プロジェクト」と題し、和太鼓集団「鼓童」や平家琵琶、人形浄瑠璃文楽などとコラボすることでネオ狂言をスタートした。2009(平成21)年にイタリア伝統仮面劇のコンメディア・デッラルテの様式で上演するようになる。2011(平成23)年、京都国際マンガミュージアムのイベントとして、赤塚不二夫ギャグ取り入れたコンメディア・デッラルテの様式で行った。
今回は、前回の公演をリメークした新作狂言「ポルチーニ」。狂言の演目「くさびら」をイタリアのコンメディア・デッラルテの様式で上演する。演じるのは、赤塚不二夫の漫画に登場するイヤミ博士、アッコちゃん、バカボンのパパ、ニャロメ、レレレのおじさん、ちび太、ウナギイヌ、ハジメちゃん、おまわりさんのキャラクター。「くさびら」も「ポルチーニ」もキノコを意味する。
狂言「くさびら」は、ある男の庭に、いくら抜いても生えてくる奇妙なキノコを封じるために山伏に祈とうをお願いするところから始まる。しかしながら、いくら祈とうしても、次から次へとキノコは生えてくる。最後には巨大なお化けキノコとたくさんのキノコに追いかけられるというストーリー。
このほか、狂言演目「蝸牛(かぎゅう)」と「棒縛(ぼうしばり)」を上演。運営するNPO法人「心の扉」(東区光津)が協賛金を集め、前日22日に虐待などで行き場のない子どもの生活の場所を確保する「子どもシェルターもも」や児童養護施設「南野育成園」などから約200人を招待して上演する。
同NPOの安信政裕さんは「そもそも狂言は、庶民の日常的な出来事を笑いで表現するエネルギーにあふれている。650年続く歴史の様式美にとらわれず、ザ・ドリフターズのようなシンプルで誰でも笑える演劇。赤塚不二夫の漫画にあるように、天才とばかは紙一重。子どもも大人も悩みを抱えることの多い時代だが、ばかになって心の底から笑ってほしい」と話す。
開演は、1部=13時、2部=17時。入場料は5,000円。