岡山県内で活動する天文同好会「岡山アストロクラブ」の写真展「星降る空へようこそ2024」が現在、「人と科学の未来館サイピア」(岡山市北区伊島3)で開かれている。
同会は2008(平成20)年、6人の天文ファンにより結成。現在、97人が在籍し、居住地や年齢、性別、天文知識の有無などを問わず、星や宇宙が好きなら誰でも入会でき、天体観測会や撮影会などを行っている。
同展は、2017(平成29)年に倉敷科学センター(倉敷市福田町古新田)で初開催。今回で6回目。星空と景色を同時に写した星景(せいけい)写真14点と、望遠鏡に設置したカメラで撮影した写真16点をA3サイズで展示。星景は、桜ケ丘(赤磐市)の桜並木や鳥取、長野で撮影されたもの。望遠鏡に設置されたカメラでは、月や木星だけでなく、昨年地球に接近したZTF(ズィーティーエフ)彗星や3時間半以上かけて撮影したさそり座の散光星雲の淡い光などがある。
出品者は20~70代の18人。天体写真の撮影を始めたばかりの人から天文雑誌のフォトコンテストで受賞歴を持つ人までいる。昨年末に亡くなった船橋弘範さんは、2008(平成20)年、星景写真に感動し撮影を始め、岡山県内だけでなく、ニュージーランドのテカポ湖やマウントクック国立公園の周辺写真を撮影し、日本星景協会の写真展にも出展してきた。今回は、備中国分寺五重塔やニュージーランドで撮影した星景写真を出展する。また唯一のチームで参加する「チーム永田」は、亡くなった夫が2015(平成27)年に美作市で撮影した「ケフェウス座とカシオペア付近に広がる散光星雲」の写真を、妻が重ね合わせ色味を調整するなどして出展する。
同会の原野哲也会長は、昨年6月に真庭市北房でホタルと天の川を収めた星景写真を出品。「ホタルが乱れ飛ぶのは約1週間。撮影したエリアは街灯の数は少ないが、月明かりの影響で撮影できないこともある。撮影チャンスはほんの一瞬だった。ホタルと星空の対比を見てほしい」と話す。
原野さんは「写真展を見ることで星や宇宙への興味を持ってほしい。美しい星空が環境についても考えるきっかけになれば」とも。
開館時間は9時~17時。月曜休館。入館無料。2月17日まで。