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岡山でブータンの「人づくり・まちづくり」を考える 世界一幸せな国の現状

(左から)片山理絵さんと江森真矢子さん

(左から)片山理絵さんと江森真矢子さん

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 「旅するひとづくり・まちづくりフォーラム」特別企画が4月6日、ベネッセコーポレーション本社(岡山市北区南方3)で開かれた。

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 2021年から2年間、岡山県教育委員会が開催した「ひとづくり・まちづくりフォーラム」を前身として、教育関係者を中心とした有志メンバー8人が主催する同イベント。実践者の話を聞き、参加者同士が交流する場として各地域を回るイベント。これまで和気、玉野、矢掛、勝央、真庭、西大寺を回った。

 今回は、特別企画として「みんなで話そう・幸せのものさし~ブータンの学校や地域を題材に~」を開催。同実行委員で、昨年4月からブータンのチュカ中央学校で活動していた江森真矢子さんがホストを務め、ゲストに倉敷市出身でブータンの首都ティンプーにある私立小中高校「PELKHIL SCHOOL」の校長を務める片山理絵さんを迎えてトークショーを行った。

 前半は、ブータンの衣服、食べ物などの基本情報と2人のブータンとの関わりについて話した。その後、2008(平成20)年に王政から立憲君主制にしたことなどエピソードから王家や国王が愛されていること、憲法など新しいルールを決めるための実験的な地域づくりの様子、仏教徒としての本音と建前など、ブータンのこれまでについて伝えた。

 後半は、参加者の質問に答えた。小国ブータンが中国やインドから身を守るために、「世界一幸せな国」を世界に広め、存在意義を高くしたこと、テレビやインターネットの解禁により、自殺者や国外移住者の増加など課題も増えていることなどを話した。

 片山さんは「中高生がアイドルグループと同じように王様のバッジをつけている。学べることの感謝を王様に感じている人も多い。一方、以前の日本のように、テストでいい点を取るための勉強が横行している。音楽の授業がある学校は少ない。当校ではアートの授業を設けたい。幸せは尺度によって変わってしまう。ブータンも、日本も、幸せについて考える機会となってほしい」と話す。

 次回は7月20日、玉島で開催予定。

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