岡山市内のカフェで2月3日・4日、日本オオカミ協会会長の丸山直樹さんがセミナー「オオカミが日本を救う!」を行う。
オオカミの役割を知り、獣害被害や環境問題を考える機会として開かれる同セミナー。日本ではオオカミを家畜を襲う「害獣」とみなし、約100年前に絶滅させられたとされる。シカやイノシシを捕らえる「天敵」として存在し、生態系のバランスをとっていたオオカミがいなくなったことで、シカやイノシシなどが増加。畑などが荒らされる現在の獣害被害につながっていると考えられている。
同イベントのコーディネートをしたNPO法人「MagMell(マグメル)」の渡辺雅之さんは、千葉県から瀬戸内市に移住し農業を営んでおり、イノシシ被害を最近よく聞くようになったという。渡辺さんは「増加し続けるイノシシを捕獲するのは追い付かず、根本的な問題があると感じた。調べていくうちに日本オオカミ協会に出合った。自然の中でオオカミが果たす役割や現状を知ってもらいたい」と呼び掛ける。
3日は「THE COFFEE BAR」(岡山市北区駅元町)で、丸山さんと同協会副会長の岩堀弘明さんが講演を行う。4日は「OKAYAMA GARDEN」(東区寺山)で、丸山さんが「アメリカ・イエローストーン国立公園にオオカミが再導入された事例」についてセミナーを行う。
スタッフの佐藤朋子さんは「オオカミは怖い存在と思っている人が多いが、オオカミを『大神(オオカミ)』として神社にまつっている地域もあるほど、人間にもっと身近な動物だった。オオカミについて客観的に知る機会になれば」と話す。
開催時間は、3日=18時30分~21時、4日=13時~17時。参加費は、3日=2,500円(軽食と1ドリンク付き)、4日=1,500円(1ドリンク付き)