岡山の岡山市立市民文化ホール(岡山市中区小橋町1)で2月26日、「第32回坪田譲治文学賞の授賞式」が行われた。
同賞は、児童文学だけでなく大人・子どもが共に共有できる世界を描いた作品の中から選ばれる。岡山が、同市出身の児童文学作家坪田譲治の実績をたたえ、1984(昭和59)年に創設した。これまで岡山県出身作家の重松清さんの「ナイフ」や、直木賞作家の浅井リョウさんの「世界地図の下書き」などが受賞している。
授賞式の後、選考委員であり同賞の受賞者でもあるエッセイストの阿川佐和子さんの記念講演が行われた。阿川さんは「得意なこともそうでないことも、目の前にあるものを楽しもうとしてきた。夢中で取り組んでいると、苦手だと思っていたことも少しずつに楽しむことができた」と話した。
主催の同市職員によると「事前の申し込みでは、募集に対して定員の3倍の2400人応募があった」と話す。受賞作「masato」の作者・岩城けいさんとの公開インタビューでは、緊張気味の岩城さんから笑顔が漏れた。
参加していた50代女性は「同賞を楽しみにしている。今年は人気も高くさまざまな年代の人が来ている。賞に興味を持つ人が増えてほしい」と話した。