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岡山の俳人「住宅顕信」の映画製作へ 6月にキャストオーディションも

決意をかためる本田孝義監督

決意をかためる本田孝義監督

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 岡山市出身の映画監督・本田孝義さんが、岡山の俳人・住宅顕信(すみたくけんしん)を描いた劇映画「ずぶぬれて犬ころ」の撮影を9月から始めると発表した。

笑顔をもらす本田孝義監督

 住宅顕信(本名=春美)は、1961(昭和36)年岡山市生まれ。下田学園調理師専門学校に通いながら、現在のビックカメラ岡山駅前店の場所にあった岡山会館の屋上食堂で働いていた。22歳で僧侶となり、同年に結婚。翌年に急性骨髄性白血病を発症し、岡山市民病院に入院する。入院中に息子春樹を授かるが、離婚し病室で育児をしていた。一度退院もしたが、25歳の若さで他界。闘病中の約3年間で残した俳句は、281句。

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 「ずぶぬれて犬ころ」「気の抜けたサイダーが僕の人生」「水滴のひとつひとつが笑っている顔だ」など波乱に満ちた住宅の人生から紡ぎ出された自由律俳句は若い読者に感銘を与えた。

 監督の本田さんは、故郷の赤磐市(あかいわ市)山陽団地を描いたドキュメンタリー映画「ニュータウン物語」や建築家・作家の坂口恭平さんのドキュメンタリー映画「モバイルハウスのつくり方」など10本以上のドキュメンタリー映画を発表してきた。2013年に渋谷ヒカリエ1周年企画「ヒカリエイガ」のプロデューサーとして劇映画にも携わった。

 本田監督によると、仕事に行き詰まり精神的につらい思いをした2014年、「ずぶぬれて犬ころ」という句が思い浮かんだという。「10年以上前に出版された香山リカさんの著書『いつかまた会える』で住宅の存在を知っていたが、あらためて読み直し映画化すること決めた』と話す。

 現在、クラウドファンディングサイト「モーションギャラリー」で映画製作にかかる800万円のうち250万円の資金支援を呼び掛けている。「少しずつ集まってくる資金に映画制作の覚悟が高まっていく。赤磐市にある実家も売却して資金に当てる」と本田さん。

「山口文子(あやこ)さんに脚本を書いてもらい、ドキュメンタリーではなく劇映画として撮影することにした。ロケ地もできるだけ岡山にこだわりたい。住宅顕信の生きざま・死にざまは、生きる勇気を与えてくれる。どんな人にも生きる意味をもう一度考えさせられる映画としたい」とも。

 6月3日・4日には主人公を含めたキャストオーディションも行う。「役者だけでなくミュージシャンやアーティスト、強い魂を持った人であれば参加してほしい」と本田さん。

 映画の完成は来年の2月を予定。クラウドファンディングは7月28日まで。

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