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岡山で映画「きよこのくら」プロジェクト 詩人・永瀬清子さん生家の土蔵活用へ

左から中村監督と横田理事長

左から中村監督と横田理事長

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 永瀬清子生家保存会が現在、映画「きよこのくら」プロジェクトを展開している。

アニメーションを撮影する中村監督

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 詩人・永瀬清子さんの生家で、釜場と離れの改修工事に伴い、2棟ある土蔵を解体することになったことから発足した同プロジェクト。解体する土蔵の内部を活用しアニメーションや永瀬清子さんと交流があった人のインタビューなどを織り交ぜた約20分の映画を製作する。

 監督の中村智道さんは「永瀬さんの詩の世界は難解。映画では、その世界を説明するのではなく、心に何かが響くものを作る」と話す。音楽監督はチェロ奏者でパフォーマーの坂本弘道さん。詩の朗読はスタジオジブリの映画「かぐや姫の物語」の主題歌を歌った二階堂和美さん。同映画の初上映は10月7日、岡山県立美術館ホール(岡山市北区天神町)を予定する。

 同保存会では、2005年に井戸建屋の復元・改修、2011年に母屋の屋根および耐震改修を行った。理事長で建築設計士の横田都志子さんは「建物としても価値があり、改修後は、記念館でなく交流館として使われる建物にしたい。現在、母屋の文化財登録申請をしている。これまでは詩人や永瀬さんを知る人たちの寄付で改修をしてきた。多く人に協力をしてほしい」と話す。

 永瀬清子さんは、1906(明治39)年に赤磐(あかいわ)市で生まれ、24歳の時、詩集「グレンデルの母親」を発表し、1987(昭和62)年発表の「あけがたにくる人よ」で、第12回地球賞と第12回現代詩女流賞を受賞した。終戦後は農家として4人の子どもを育て、瀬戸内市長島にあるハンセン病療養所で約40年間、詩作の指導を行った。岡山市立岡北中学校や玉野市立玉中学校など、県内34校の校歌も作詞している。

 同保存会では現在、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」を通じて映画製作資金を集めている。募集は4月26日まで。

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