岡山市内にある岡山城(岡山市北区丸の内2)で11月3日~5日の3日間、月見櫓(やぐら)が公開された。
月見櫓(やぐら)は岡山城3段構造の2段目に当たる中の段の北西角にある。第4代城主の池田忠雄(ただかつ)時代に建立され、1933(昭和8)年に重要文化財に指定された。1955(昭和30)年に修復工事をして現存している。35棟あったといわれている櫓のうち、最後に作られた同櫓、天守閣、旧内山下小学校校内にある西丸(にしのまる)西手櫓の3棟のみが現存している。
櫓は城の防御力を強化するために建てられ、要塞(ようさい)の役割をするもの。同櫓内にも、石や物を落とすための窓下の隙間「石落とし」、護衛の武士を隠れさせておく部屋「武者隠し」もある。一方で建立した時代はすでに戦争が起こることはなく、2階の城内側は壁ではなく雨戸立てとなっており、開け放すこともできる。
岡山市教育委員会文化財課の高橋伸二さんは「要塞としての役割より客を招き入れる場所として使われていたかもしれない。岡山城は城主が宇喜多家、小早川家、池田家と変わるごとに大工事が行われた」と話す。
3日間の来場者数は約3000人。来場した歴史好き20代女性は「当時の様子を思い浮かべるながら見ることができた。大切に残してほしい」と話した。