個展「世界の紙を巡る旅」が2月15日、「AXCIS CLASSIC(アクシス クラシック)」(岡山市北区田中)で始まる。
同展を主催する浪江由唯さんは、昨年3月から303日間、世界15カ国35都市を旅し、手すき紙の工房と活版印刷所を訪れた。各国で購入した紙や本などを展示し、紙の魅力と旅の記録を100点以上用意する。「紙と旅は楽しい」を伝える展示を予定している。
会場では、米国ポートランド、ラトビア、ネパール、タイなど9カ国の紙の材料、作り方、商品デザインを比較できるほか、カナダやポートランドにある浪江さんがおしゃれだと感じた文具店風の展示を用意。バルト3国や英国ロンドンで訪れたアンティークな雑貨なども展示する。
ワークショップコーナーでは、紙作り体験を予定している。日本で手すき紙は和紙というイメージがある中、国内でも多くの種類がある。浪江さんは「ヘンプ、ロクタ、桑の木などその場で育つ植物を原料で作られ製法も異なる。紙作りや製本、デザインが生活と関係している。タイ、ラオス、ネパール、ラトビア、ベトナムなどで紙作りをしてきた。リトアニアでは約2週間、ヘンプ農家で過ごした」と話す。
「旅を続ける中で、紙の話が深まっていくと同時に友人も増え充実していた。自然環境への負荷を間近に感じたり、肉を食べることをやめたり、英語の聞き取りが気付けばできるようになったりと自分の変化も感じられた」と話す。旅の間はブログを更新していたほか、旅先の紙を使った手紙を送るサービスを行い、全12カ国から約550通の手紙を送った。次回の旅では、エジプトのパピルス、イタリア・フィレンツェのマーブルペーパーなどを訪れる予定。
旅で出合った紙や人などをまとめた冊子「世界の紙を巡る旅vol.1」を販売予定。期間中はほぼ在廊し直接会って伝えることも考えている。「普段使っているモノに対しても、どこから来たのか、誰が作ったのか、どうやって作ったのかなど値段だけではない価値を考えられるきっかけになってもらえたらうれしい」とも。
福岡「PLASE.STORE OOKUSU」(福岡市)、東京「天窓」(東京都渋谷区)、京都「But not for me」(京都市北区)でも開催。
開催時間は平日=11時~18時、土曜・日曜・祝日=10時~19時。入場無料。今月24日まで。