旅行雑誌「るるぶ特別編集・小田川」が現在、無料配布されている。
同誌を発行したのは、国土交通省・中国地方整備局高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所。同事務所は現在、平成30年7月豪雨で被害のあった倉敷市真備町、矢掛町を流れる小田川の高梁川への合流点の付け替え工事を行っている。付け替え工事エリアになる船穂町を加えた3エリアの「見る・食べる・遊ぶ」情報と工事の現状などを掲載している。
準備したのは、約2万部。配布場所は、JR岡山駅・JR倉敷駅、倉敷市内のホテルや美観地区のいくつかの店舗、レンタカー事務所、道の駅などのほか、「とっとり・おかやま新橋館」(東京都港区新橋)、「まるごとにっぽん」(台東区)でも配布する。真備町内の飲食店など、地域の人にも配っている。
同事務所の事務所長・桝谷有吾さんは「多くの店が戻ってきて、少しずつ活気が出てきてうれしい。今は遊びに来てくださいと伝えられないのが残念。真備町と同様に被害のあった矢掛町のこと、復旧工事をする土木現場で働く人たちのことも知ってもらいたい」と話す。
後半ページには「真備緊急治水対策プロジェクト」を掲載。バケットの大きさが6平方メートル、10トンダンプカーが1かきでいっぱいになるバックホウ(ユンボ)や、公道を走れないほどの大きさの40トンダンプ4台を使って南山の掘削を行っている。連日現場で働く約300人の建設業者を紹介した冊子「平成30年7月豪雨からの復旧、更なる安全の確保に向けて」も掲載している。2023年度中に完工予定。
そのほか、復興に向けた地域の活動も掲載している。決壊後に修復された堤防を使って行われた「ランバイク練習会&スケボー体験会」や泥水に浸かってしまった写真を洗う「真備町写真洗浄会」、追悼と地域のつながりをつくるキャンドルイベント「真備復興希望のともしび」などを掲載。
「昨年4月に真備町に赴任して来て、真備町の人たちの温かさを強く感じている。地域の人のまちづくりに対する愛情の強さを感じ、1日でも早い工事の完成をしたい。昨年12月に始めたインスタグラムで工事の様子や現場で頑張っている人たちを知ってもらい、共に復興へと向かいたい」とも。