トータルデザインセンター(岡山市北区奥田本町)は現在、「政府支給の布マスクを児童養護施設へ贈ろう!プロジェクト」を実施している。
「政府支給の布マスクを児童養護施設へ贈ろう!プロジェクト」で全国から寄せられたマスク
新型コロナウイルス感染拡大を受け、店頭からマスクがなくなり入手困難となったことから、4月1日、全国の全ての世帯を対象に1住所あたり2枚の布マスクが配布されることになった。同マスクは、縦9.5センチ・横13.5センチ。同社社長の上村祐貴さんは、報道されるマスクを見て、子どもに適切なサイズだと思い、使われない可能性のあるマスクを集め、児童養護施設に譲るプロジェクトを始めた。
マスクは、政府から支給される布マスクだけを対象とし、未開封の状態で送ってもらっている。厚生労働省のホームページによると、岡山県内の配布状況は6月1日時点で20~30%。8日までに60~70%になる予定。同プロジェクトは4月21日にスタートし、5月11日に集まった約200枚を岡山県内の施設15カ所へ、28日には約2400枚を岡山県と東京都の施設64カ所へ送った。次回は6月13に福岡県の施設へ送る予定としている。
同社は2017(平成29)年2月から、「はしながおじさん」プロジェクトを実施している。対象商品の箸を購入すると、児童養護施設の子どもに新しい箸がプレゼントされる。子どもの成長に合わせて数種をそろえ、楽しい食事で笑顔を作る活動を行っている。上村さんは「施設で子どもと会う機会をもらった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため伺えない中、先生から子ども用マスクが不足していることを知った。子どものマスクは、大人に比べ劣化が早い。先生が限られた時間で手作りしていることもある。はじめは、子ども用マスクを購入して送ることを考えたが、政府支給の布マスクから同プロジェクトを取り組み始めた」と話す。
SNSとホームページで告知をしたところ、3日後には東京都から5封が届いた。現在は、愛知県・福岡県など全国から届いている。上村さんは「岡山県内には15施設に約600人の子どもが生活している。全国では約3万人の子どもがいて、マスクが不足している。使い道がなく譲っていただける場合は、当社に送ってほしい。マスクがあることで、子どもは元気に過ごすことができると思う。これを機会に、児童養護施設の子どもたちに心を寄せてもらえれば」とも。