![(左から)水島地域環境再生財団の塩飽敏史さんと千手寺の住職・松本宣秀さん](https://images.keizai.biz/okayama_keizai/headline/1611103971_photo.jpg)
「水島地域環境再生財団」(倉敷市水島栄町)の塩飽敏史さんがゴミ調査中に拾った仏像が1月19日、千手寺(岡山市北区大内田)で供養した。
同団体は、水島コンビナートの企業8社に対して公害認定患者らによる裁判がきっかけに設立された。13年間、裁判で争われた結果、1996(平成8)年に和解が成立した。解決金の一部を水島地域の生活環境の改善のために使うことを合意したことから、2000(平成12)年に同財団を設立することになった。
同団体の調査は、岡山市内4カ所で実施。用水路の上流と下流にゴミをせき止める網をかけ、約500メートルの間にポイ捨てや風で飛ばされたて用水路に落ちたゴミだけを回収する。ペットボトル、レジ袋、カフェカップのプラスチックゴミ3種の数を昨年12月~3月末まで1週間ごとに調査する。
仏像を回収したのは、岡山市北区下中野の調査区画で、川の上流側に設置した網にかかっていたという。約15センチの地蔵菩薩が箱に入っていた。塩飽さんは「これまでも仏像を回収したのは初めて。SDGsの活動にも熱心な千手寺の住職・松本宣秀さんに供養の相談をした」と話す。
水島地域環境再生財団では、この調査だけでなく2000(平成12)年から瀬戸内海の海底ゴミの調査や2010(平成22)年から高梁川の上流から下流までの12カ所でゴミ調査をしている。高梁川では推計で年間130トンのゴミが海へ流れ出ているという。
当日は、千手寺の本堂で約30分の供養を行った。松本さんは「川にゴミをポイ捨てする人がいなくなるように、環境問題に取り組む人の安全、自然の恵に感謝の3つの祈りをささげた。どういう経緯で川に流れてしまったのかは分からないが、人の思いを大切にして持ってきてくれたことに感謝する。大切に奉納させてもらう」と話す。