岡山の備前焼作家が携帯端末専用のソーシャルゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」のキャラクター「藤原肇」をモチーフにした備前焼の湯飲みを2月14日に販売し、約3分で完売した。
「アイドルマスターシンデレラガールズ」のキャラクター「藤原肇」
同ゲームは、バンダイナムコエンターテインメント(東京港区芝)が2011(平成23)年から提供している。プレーヤーはアイドルのプロデューサーとなり、190人以上いるアイドルの中からトップアイドルへと育てるゲーム。
アイドルの一人、岡山出身の藤原肇は祖父が陶芸家。祖父から跡を継ぐことを期待されながらも、憧れのアイドルを目指している。ゲームに登場して約8年、備前焼や岡山県産のフルーツなどPRすることもあり、ファンが聖地巡礼として備前市伊部に訪れている。
同商品の販売企画は、備前焼作家の妻、木村敦子さんと藤田恵さんが行った。2人はゲームファンとSNSなどで交流を深め、伊部エリアのまち歩きイベントを10回以上企画したこともある。今回、2人の活動を知った備前商工会議所(備前市東片上)が、バンダイナムコエンターテインメントとコラボ企画を持ち掛けた。
商品は、「竹」をイメージして作れた備前焼の湯飲み。藤原肇のせりふに「しなやかで頑丈、力強く真っ直ぐに育つ…竹の良いところ、学びたいです」(原文まま)とあることから、同商品が生まれた。湯飲みは、藤原肇のサインが入ったきり箱に入れ、オリジナル取扱説明書を付けた。
木村敦子さんは「ゲームの華やかな世界と伝統工芸の備前焼の調和を心掛けた。藤原肇をきっかけに備前焼を知った人もいる。備前焼に関わる人もゲームの世界を知ることができた。交わることのなかった人をつないでくれたことに感謝している」と話す。
藤田恵さんは「藤原肇の一人のファンとしてうれしい。うつくしさとかわいらしさ、おちゃめなところもあれば頑固なところもある。ゲームファンの人も備前焼の里・伊部の人も喜ぶ顔が見られてうれしい」と話す。
価格は1万9,800円で、用意した数量が完売。現在、追加販売を検討している。