駄菓子絶景写真展「わくわくわく」が4月10日、奉還町4丁目ラウンジ・カド(岡山市北区奉還町4)で始まる。
主催する深井宏和さんは、「日本一のだがし売場」を運営する大町(瀬戸内市長船町)に勤める会社員。2017(平成29)年に入社して以来、5000種以上ある駄菓子・おもちゃの発注業務などを行っている。
前職で駄菓子店の店長をしていた2016(平成28)年から、駄菓子の写真をインスタグラムへ投稿し始める。全国の駄菓子店を回りしていたことから、2019年に縁のあった10カ所で写真展を行った。
同展は、昨年10月に空き家を活用した複合マーケット「itonowa(イトノワ)」(京都市下京区)を皮切りに、2月にカフェ「minato(ミナト)」(大阪市大正区)、3月には駄菓子屋「いと」(兵庫県加古川市)などで開催してきた。
街で見掛けたものと駄菓子の組み合わせで撮った写真など作品は、全40点。店舗の軒先に張り出す半円の装飾テントと「ステッキチョコ」で傘のように見立てて写真、鯛(たい)の形をした駄菓子「ぷくぷくたい」を川で泳がしている写真、「わなげチョコ」と観覧車の写真などを展示する。
深井さんは小学生の頃から駄菓子が好きで、東京でアルバイト生活をしている時に改めて駄菓子店をやりたいと夢を見るようになったという。「駄菓子は、子どもからお年寄りまで幅広い人が楽しめる。1951(昭和26)年に発売されたココアシガレットのような昔からあるものから、新しいものもある。全国的に駄菓子店は閉店していく傾向にあり、『未来の駄菓子屋』を作りたいと考えるようになった」と話す。
深井さんの考える「未来の駄菓子屋」は、駄菓子と何かを掛け算したもの。駄菓子とカフェ、駄菓子とカレーなど。11月にはカレー店「サティスファクションカリー&カフェ」(岡山市南区万倍)でも同展を開いた。「『未来の駄菓子屋』を考えていると、駄菓子店の原点に戻ってきた。駄菓子と日用品、駄菓子とたばこなど以前から掛け算することで、わくわくする気持ちを生むことに気付いた。子どもにとっては、勘定することやコミュニケーションを取ることなど、初めて社会との接点を持つ場所でもある。この文化を伝えていきたい」とも。
会期中は、100種以上の駄菓子やおもちゃの販売を行うほか、カフェオープンを夢見る会社員が開くカフェ「うみねこ堂」がコーヒーと固めプリン、ハンドメードアクセサリーなどの販売を行う。
カレー店「サティスファクションカリー&カフェ」は、駄菓子に合わせた特製スパイス(30円)を販売する。ベビースターラーメン・チキン味(30円)とオリジナルガラムマサラ、ミニおにぎりせんべい(30円)とスリランカミックス、うまい棒・サラミ味(10円)とハーブミックスの3種を準備する。
25日は即席のバーカウンターを作り、「bar.compoir(バーコントワール)」(岡山市北区磨屋町)の園田浩也さんが、カクテルシェーカーを使ってオリジナルドリンクを作るバーテンダー体験を開く。ドリンクの提供も行う。
「奉還町4丁目の雰囲気が好きで、写真展の最後をラウンジ・カドで開くことにした。100円あれば楽しめる駄菓子店で生まれるワクワクを文化として残していきたい。私が一番好きな駄菓子・キャベツ太郎など駄菓子を用意して待っている。親子で楽しんでほしい」と呼び掛ける。
土曜・日曜・祝日営業。開催時間は10時~15時。5月2日まで。