医療・福祉業界で働く人が学べる動画サイト「アメポケ」がスタートして2カ月がたつ。
杖、車いすなどの福祉介護用品のレンタル事業や住宅のバリアフリー工事などを手掛けるアークリード(岡山市南区新保)が3月7日、同サービスを始めた。医療・福祉の現場で働く人向けに、無料で気軽に学べるウェブサイトを公開している。岡山県内の多ジャンルで活躍する講師が出演する5分~10分の動画を無料で見ることができる。
動画のジャンルは医療、看護、リハビリ、介護、働き方、制度、健康維持、福祉器具などで、約200本を公開している。社長の岩田成矢さんは「忙しくスキルアップやもっと詳しくなりたいと思っても勉強する時間もお金もすぐにはないという人は多いはず。どこで働いていても、どこに住んでいても地域に関係なく専門知識を得ることができ、自分自身のセルフケア、モチベーション管理にもなればと思い、配信することにした」と話す。
岩田さんは、多くの人に会いに行き、研修を受け学び得てきた。実体験から学び続けることの難しさを知り、もっと気軽に学べて相談できる場所を作りたいと考えたという。現在は、車いすシーティングエンジニアでもある岩田さんは「車いすに乗れることで施設から家に帰れる人が増える。車いすに座れない人もいる。神経難病の人や頸髄(けいずい)損傷している人などは、微妙なバランスを取ることで車いすに座ることができる。座れると食事ができるようになり、歩くことにつながることもあり、生活が広がることもある。多くの人から多くのことを学び、今のようなお手伝いができている。自信が持て、やりがいを感じられるツールとして使ってほしい」と話す。
セミナー講師は、「介護・リハビリ」=医学療法士の大渕哲也さん、「薬草」=薬剤師の中山智津子さん、「在宅医療」=医師の中村幸伸さん、「グリーフ」=終活カウンセラーの川上恵美子さん、「手話」=信原武生さん、「ライフプラン」=ファンナンシャルプランナーの佐藤香名さん、「成年後見制度」=社会福祉士の森亮介さん、「セルフケア」=作業療法士の高橋勇志さんなど50人以上が務める。直接、質問や相談をすることもできる。
「専門性を気軽に高めることができ、多様な分野の講師から話が聞ける環境を作っていきたい。アメポケ診断で、今日の状態がわかるサービスなど、モチベーションをアップにも使ってほしい。今後は、明日の仕事がもっと楽しくなる内容を続けていく」とも。