岡山芸術創造劇場がプレ事業「市民公募プログラム」を現在、募集している。
2023年夏、岡山市民会館と岡山市立市民文化ホールに代わる施設として岡山芸術創造劇場が完成する。本年度から新しいスタッフが増え、20人以上の体制となった。これまでの施設は音楽、舞台、シンポジウム、表彰式など幅広い公会堂としての役割を果たしてきた。新劇場は、舞台芸術を主体にした制作と発信を行うことと場所を貸すという機能以上に劇場がプロジェクトをつくっていく活動も行う予定としている。
完成までの期間は、舞台芸術に触れる機会をつくり、親しむ人を増やすことを目的としている。同プログラムは、芸術活動を行う団体を支援することで、新たな可能性と創造性をつくり出すために行われる。
応募は岡山市内に活動拠点がある団体で、岡山芸術創造劇場の開館機運を醸成することを目的に自ら主催して行う公演・イベント・ワークショップなどの文化芸術事業とする。選ばれた団体には上限を100万円として負担金を準備している。
昨年は4作品が選ばれ、3作品が実施された。NPO法人アートファームは、表町商店街を舞台にして、市民参加のストリートミュージカルを開いた。表町千日前地区にあった「鐘撞堂(かねつきどう)」にまつわる寓話(ぐうわ)「らんどうキツネ」と備前太鼓唄「こちゃえ」を融合させて創作した。
表町・千日前発祥の世界三大サーカス「木下大サーカス」と地元パフォーマーがコラボしたステージを表町商店街の2カ所で行った。ちやほやされたい吹奏楽団「晴吹(はれすい)」、岡山学芸館高校チアリーディング部「JUMPERS」、大道芸人・チャーリーさん、木下大サーカスのアメリカンピエロ「ジェシー&タッカー」、アルゼンチンジャグラーのブライアン・ドレスナーさんらが出演した。
RSK山陽放送新社屋にある「能楽堂ホール・tenjin9」で、舞踊家・花柳大日翠(はなやなぎおおひすい)さんによる創作日舞・家電シリーズ「炊飯器」を披露した。花柳大日翠さんは、これまでにも「檜☆男~ぴのきお」や家電シリーズ「電子レンジ」などの創作日舞を披露している。
同劇場のスタッフ・西角紫帆さんは「子どもから大人、高齢者、外国人、障がい者、どんな人でも関わる事業には魅力がある。コロナ禍でもつながりをつくれる方法など、創意工夫を期待している」と話す。
西角さんは富山から4月に移住しスタッフとなったばかり。「岡山の街を一つずつ歩き、学びながら企画を進めている。劇場運営に興味を持ったのは、高校生の時に見た演劇からだった。事業を通じて、私の体験したような演劇の楽しさを伝えられる、地域の人と近い劇場を目指す」とも。
募集は5月14日まで。