写真集「岡山懐古紀行」が発行されて1カ月がたった。
発行者の「ムサシノ工務店」は、岡山出身の武部将治さんと一幡公平さんのユニット。2人は2002(平成14)年に廃虚写真を撮りに行った旧松尾鉱山(岩手県)で出会い、2004(平成16)年から共同写真集を制作し、東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われる「コミックマーケット」に出店。これまで日本全国の廃虚写真を収めた写真集など15冊以上を発行した。
「岡山懐古紀行」は2020年9月ごろから計画していたが、コミックマーケットが中止になり発行を延期。昨年12月30日・31日のコミックマーケット開催を機に発行した。新型コロナウイルス感染拡大で県外への移動を制限されたことから、県内のレトロなものを再撮影したものなどを収めた写真集とした。
レトロな商店街・道端のレトロ・街角のレトロの3部構成で、商店街の古い看板、コンクリート製のごみ箱、スターハウス、コンクリート滑り台など、約200枚の写真と撮影者によるキャプションを収録した。
武部さんは「岡山は、よく見ると街にレトロなものが残っている。文化財などにならないような生活の中にあったものは、きっと10年後には無くなってしまう。どこか懐かしい風景を大切に思い、写真に残している」と話す。
一幡さんは「道路元標やラジオ塔、ケーブルハットなど、現代の人がほとんど知らないものが残っている。自分の地元に残るレトロなものを探して楽しむきっかけとしてほしい」と話す。
B5判、60ページ。価格は1,320円。丸善岡山シンフォニービル店(岡山市北区表町1)・さんすて岡山店(駅前町1)、451ブックス(玉野市)のほか、県内の書店やアマゾンでも販売する。