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岡山でアート系NPOの30周年「岡山河畔芸術祭」 西中島を中心に13プログラム

NPO法人アートファーム代表の大森誠一さん

NPO法人アートファーム代表の大森誠一さん

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 今年30周年を迎えるNPO法人「アートファーム」(岡山市北区丸の内1)が主催する「岡山河畔芸術祭」が4月9日、開幕する。8カ月で13プログラムを展開する。

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 アートファームは、1992(平成4)年に創立。岡山では見られない舞台芸術を招致する「岡山河畔劇場」を企画し、地域と舞台芸術のつながりをつくり、鑑賞できる環境の醸成と地域文化の復興を目指し活動を始めた。

 プログラムの多くは西中島を中心に展開する。西中島は、木下大サーカス(北区)の創業者・木下藤十郎が、1877(明治10)年に芝居小屋「旭座」を岡山で初めて開設したエンターテインメントの聖地ともいえる場所。明治時代の映画俳優・尾上松之助も西中島の出身だという。

 4月9日・10日のプログラムは、92歳の坂本長利さんが演じる一人芝居「土佐源氏」。坂本さんは同演目を37歳で始め、1000回以上公演してきた。コロナ禍で2年間演じておらず、再開の舞台となる。

 4月23日・24日のプログラムは、劇団唐組が「おちょこの傘を持つメリー・ポピンズ」を演じる。唐組は1967(昭和42)年に唐十郎さんが旗揚げした、紅テントで上演する劇団。1993(平成5)年のアートファームの初イベントや10周年、20周年にも岡山で上演した。今回は、旭川京橋の河川敷に紅テントを張り上演する。

 アートファーム30周年の初企画として、大岡昇平の小説「野火」をダンスで表現する。ダンサーで振付師の平井優子さんが10月1日・2日に西中島の各所で、舞踊グループ山海塾の岩下徹さんが11月26日・27日に黒住教神道山の日拝所で舞う。アートファームの代表・大森誠一さんは「コロナ禍で人と人の関係は断絶されてしまった。人間の身体性、自然の優しさや厳しさ、人間と自然の関わりを、表現を通して感じてみたいと思い企画した」と話す。

 大森さんは「約30年前に、岡山シンフォニーホールや倉敷市芸文館がオープンした。地方で舞台芸術を楽しめる土壌をつくるため走り続けてきた。2023年には岡山芸術創造劇場が完成する。新しいパートナーでもありライバルとして、今後も走り続けていきたい」と意気込む。

 現在、同事業の運営費などを公募するクラウドファンディングを実施している。3月31日まで。

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