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岡山でハンディキャップアーティスト作品展 食べる・見るなど五感で味わう

DESIGN GOALsプロジェクト代表理事の高橋京恵さん

DESIGN GOALsプロジェクト代表理事の高橋京恵さん

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 「五感で感じるハンディキャップアーティスト作品展」が現在、岡山ビューホテル内・「和洋旬菜だいにんぐ五感」(岡山市北区中山下1)で開かれている。主催はDESIGN GOALsプロジェクト。

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 店内には、石原明日香さんと海太郎さんの原画約20点を展示する。店内は、ももぞの学園(足守)が制作したARTのれんで装飾する。

 石原さんは二分脊椎で車いすを利用するハンディキャップアーティスト。高校1年生の頃に絵を描き始め、きらぼしアート展で新人賞を受賞。同店のオリジナルスパイス「家族に優しいひとふり」のパッケージデザインも手がけた。ラメの入ったキラキラペンを使うなど、点描で鳥や動物、虫などを描くことが多い。

 海太郎さんは、知的障がいを伴う自閉症がある。カラーペンを使ったシンプルな筆使いで、動物や虫などを描く。昨年、初めての個展を「茶房&ギャラリー遠音」(南区泉田1)で開いた。中学1年でピアノを始め、ショパンを演奏するほどの腕前。

 同プロジェクトは、岡山県備前県民局の事業「障がい者アートを利用したデザインビジネス展開事業・デザインゴールズ」として2020年にスタート。障がいのあるクリエーターと、パッケージやパンフレットなど制作物を作りたい企業をマッチングし、デザイナーが間を取り持つことで、障がい者の社会参加と新たな価値を生む機会として始まった。

 3年目となった昨年から、これまで運営してきたデザイン会社「FIL DESIGN(フィルデザイン)」(北区原)社長の高橋京恵さんが代表理事となり活動を続けている。石原さんは同プロジェクトで、ダイヤ工業(南区古新田)と母趾(ぼし)・小趾(しょうし)用サポーター「シンデレラ」パッケージを制作。昨年は山口県岩国市の70年以上歴史のある郷土料理店「よ志だ」の味を引き続いだ、アユの甘露煮「よしだほんてん」のパッケージも制作した。

 20日には、アーティストのギャラリートークと、海太郎さんのピアノ演奏を準備しているほか、特別ランチメニューを用意。ランチョンマットのデザインも石原さんが行う予定。

 同店名が五感であることから、アート作品を「見」て鑑賞し、のれんアートを「触」ってもらい、特別メニューで「食」を味わい、特製スパイスで「香」を楽しみ、海太郎さんのピアノ演奏を「聴」いてもらうという5つの要素を準備している。

 高橋さんは「石原さんの作品は角度によってキラキラと宝石のように輝く。原画にしかない迫力を感じてほしい。私もイラストを描く仕事をするが、二人の作品は、うまく見せようという思いが全くなく、情熱を真正面からぶつけてくる。アーティストとして尊敬できる。障がい者である同情ではなく、価値があり魅力あるものであるから作品展を開いた。アーティストとの出会いは、新たな宝物を発見したようなうれしさがある。企業とのコラボ、岡山情報ビジネス学院など間を取り持つデザイナーも入り、互いを知り、活躍の場をどんどん作りたい」と話す。現在、ハンディキャップクリエーターとコラボしたい企業も募集している。

 会場では、クリアファイル、ステッカーなどのグッズを販売するほか、備前みそと雄町米酒かすなどをブレンドした野菜用のスパイス、瀬戸内オリーブなどで作った魚用スパイス、岡山県産ピオーネ酢で作った肉用スパイスの試食もできるようにする。

 営業時間は、ランチ=11時30分~14時30分、ディナー=18時~22時。6月3日まで。

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