「池田家文庫子ども向け岡山後楽園・発見ワークショップ」が7月16日、岡山後楽園(岡山市北区後楽園)で開かれた。主催は岡山大学教育学部と岡山大学付属図書館。
岡山大学教育学部の赤木里香子教授が、岡山大学付属図書館に保存されている備前岡山藩・池田家の文書を活用しようと2007(平成19)年、同大教育学部の授業として同プログラムを始めた。コロナで中止した期間もあったが、年2回開いてきた。同館は池田家文庫として、藩政資料や和書など10万点以上を保存する。
当日は、小・中学生23人と教育学部の美術教育を専攻する1年生~4年生の12人が参加した。鶴鳴館の畳の上に4.6メートル角に拡大した後楽園の地図「御後園絵図」を敷き、地図の上を歩きながら、現在と同じところ・違うところを探した。
岡山後楽園は1687年に着工し、1700年にほぼ完成した。1743年ごろに中央に位置する唯心山(ゆいしんざん)ができる。当時は「御後園」と呼ばれ、1871(明治4)年、「後楽園」に改名された。今回使った絵図は1863年のもので、現状の後楽園に近い。
手描きの紙芝居風のパネルを使って、藩主らの暮らしや楽しみ方を大学生が解説した。馬場や弓馬での稽古、茶室での茶席、井田の田植え、茶摘み、参勤交代前に雷除けのお札をもらったとされる慈眼堂などを紹介した。
参加者は6グループに分かれ、絵図を片手に絵図との相違点を見つけながら約1時間、園内を散策した。散策後は、発見したことを発表と質問をする時間を設けた。ワークショップ後には、修了証と特製手作りキーホルダーを進呈した。
同大3年の藤原千樺(ちか)さんは「岡山後楽園の魅力はたくさんある。絵図など資料を元に、子どもたちと一緒に発見していくのはとても楽しい。大人も気づかないような発見に驚かされた」と振り返る。