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岡山のNPOが緊急避妊薬を無償提供 県内3カ所で処方箋なし試験販売も

NPO法人「無花果(いちじく)」の内海千恵美さん

NPO法人「無花果(いちじく)」の内海千恵美さん

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 全国145カ所の薬局で緊急避妊薬(アフターピル)を処方箋なしの試験的販売が11月28日に始まった中、NPO法人「無花果(いちじく)」(岡山市北区駅元町)が現在、無償提供している。

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 緊急避妊薬とは、避妊の失敗や意図しない妊娠を防ぐための薬で性行為から72時間以内に服用することで、妊娠する可能性を低くすることができる。現在は悪用や乱用を防ぐため、購入するために医師による処方箋が必要。6月26日の専門家の検討会で、医師の処方箋なしで適正に販売できるか調査研究するための試験的販売を行うことを厚生労働省が決定した。

 岡山県で試験販売される薬局は、サカエ薬局(本町)、あかり薬局(富田町)、調剤薬局マツモトキヨシ平和町店(平和町)の3カ所。購入できるのは調査研究に同意した16歳以上の人で、16歳以上18歳未満の人は保護者の同意が必要。価格は7,000円~9,000円程度。調査は薬局が薬の説明・指導ができたか、購入者に同意が得られた場合のみ避妊の結果・妊娠検査薬の実施の有無、産婦人科に購入者のフォローアップ状況を調べる。

 フリースクールや通信制高校などを運営するNPO法人「無花果」は9月3日、無償提供を始めた。ラインを使った相談窓口「Cotatsu~おかやま性の相談窓口~」で提携クリニックの「みやびウロギネクリニック」(表町1)を紹介し、同院で受診した上で緊急避妊薬を服用してもらう。対象は24歳以下。

 無花果が提供する緊急避妊薬は、一般社団法人ソウレッジ(静岡県掛川市)が行う「おひさまプロジェクト」の一環で、同法人が全額負担する。2022年に同団体が行ったクラウドファンディングでは2000万円以上の寄付が寄せられ、随時、寄付も受け付けている。

 無花果の内海千恵美さんは「無花果では、若い世代の人がやりたいことを自分で決めて、諦めることのない社会を望んでいる。性に対しても、自分を大切にできる状況を作りたい。ラインでの相談は緊急でなくてもできる」と話す。

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