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岡山・玉野の漁師「邦美丸」がオンライン講座 海や魚からSDGsを考える

邦美丸の富永邦彦さんと美保さん

邦美丸の富永邦彦さんと美保さん

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 漁業を営む「邦美丸(くにみまる)」(玉野市胸上)が5月11日、オンライン講座「漁師が先生!オンライン版SDGsを学ぶお魚の学校~気候変動編~」を開催する。

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 邦美丸は2022年ごろから、注文を受けてから漁に出る「受注漁」を行う。価格の安定化や労働時間の短縮だけでなく、過剰に取りすぎることを止め、食品ロスや水産資源の持続可能性など幅広い角度から漁業を展開している。昨年は「第7回ジャパンSDGsアワード」など10以上のコンテストで受賞した。

 同講座は、主に小学生とその親を対象として、漁師から見える気候変動や、海で実際に見られる変化などを伝える。3月の開催に続き、今回が2回目。約20人の親子が参加し、クイズ形式でSDGsについて学んだ。

 邦美丸の富永邦彦さんは「漁師目線から気候変動や乱獲など、実際に海でどのような変化が起こり、何が問題になっているかを伝えていき、子どもたちにも問題意識を持ってほしい。難しくない内容なので小学生と保護者や、大人だけでも聞いてもらえれば」と話す。

 邦彦さんは20歳で大阪から岡山へ移住。2008(平成20)年に妻・美保さんと結婚し、美保さんの父の下で漁師として働いた。漁業の過酷さを目の当たりにし一度漁師を辞めたが、再度漁師に挑戦。市場に卸す漁業は価格が安定しない上に、どうしても長時間労働となってしまう。飲食店への直販を始めて改善が見られたが、コロナ禍で飲食店からの注文がなくなり厳しい状態に。同時期に一般家庭向けに販売したことがきっかけで、受注した後に漁を行うスタイルを確立していった。

 美保さんは「受注漁を始めて時間の余裕ができたことで、漁業の抱える課題やSDGsなど地球規模の課題が見えるようになった。父の世代の漁師らが、高い技術を持っているおかげで、私たちの世代も漁に出ることができている。教育を通して、漁業のこと、海のこと、食のこと、未来をよくする一助になれば」と話す。

 開催時間は10時~10時45分。申し込みはPeatixで受け付ける。

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