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岡山・林原美術館で備前焼の特別展 人間国宝の金重陶陽しのぶ93点

備前焼作家の金重晃介さん

備前焼作家の金重晃介さん

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 岡山市の林原美術館(岡山市北区丸の内2、TEL 086-223-1733)で現在、特別展「金重陶陽(とうよう)没後50年展」が行われている。

1952年作成の「備前耳付花入」

 同展では備前焼で初めての重要無形文化財保持者に認定された金重陶陽の作品93点、書画など約10点を展示。没後50年を節目に業績をしのび、同館と陶陽の三男、備前焼作家で岡山県指定重要無形文化財保持者の金重晃介さんらが企画した。

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 作風を4期に分け、「細工師として-陶陽芸術の黎明(れいめい)-」「ろくろ仕事へ-新たな備前焼の探求-」「交流-備前の枠を超えて-」「陶陽芸術の全貌-備前焼中興の祖-」の順に展示する。

 陶陽が制作を始めた大正、昭和初期は「細工物」と呼ばれる置物、香炉などに顔料で彩色した作品を多く手掛けた。陶芸界で桃山時代の陶器が着目されるようになると、「古備前」と呼ばれる土味を生かし、ほぼ途絶えていたろくろを使った制作を1932(昭和7)年から本格的に始め、茶陶を中心に作るようになった。

 ろくろを導入した頃、近隣の陶工らの反対もあったという。土の選び方・作り方は従来とは異なり、備前市伊部(いんべ)の各地で採土して試みた。焼き方も研究を重ね、窯の中で自然の降灰によって生じる独特の色合いに仕上がる技術を考案。桃山時代の作風を再現し、備前焼の変化と繁栄の端緒になったとされる。

 晃介さんは「窯にいれるまきの費用に苦心した時期もあった」と振り返る。同館学芸員の橋本龍(りょう)さんは「細工物の評価が高かったにもかかわらず、ろくろを使った従来と異なる制作方法を手掛け、時代の流れを取り入れる勇気や気概を感じる」と話す。

 10月21日・22日には「陶陽を偲(しの)ぶ茶会」を同館内の茶室「竹明庵(あん)」で行う。陶陽の作品や関連のある道具を使って茶席を設ける。参加費は1,000円で、要予約。

 開催時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、一般=700円、高・大学生=400円、小・中学生=200円、障がい者・付き添い者無料。11月12日まで。

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