岡山県の瀬戸内市民図書館(瀬戸内市邑久町)で3月4日、「ウィキペディアタウンin瀬戸内市」が行われた。
同イベントは、参加者に市のことをより深く正しく知ってもらうとともに、インターネット上の百科事典「ウィキペディア」に掲載することで多くの人に知ってもらえるチャンスをつくろうというもの。津山市、赤磐市でも同イベントが開かれており、2017年は全国で62回開かれた。瀬戸内市では2016年にスタートして今回で3回目。15人が参加した。
ウィキペディアは、日本語版で約110万項目もの情報が誰も無料で閲覧・編集できるウェブサービス。出典が分からないものもあり信頼性・信ぴょう性を保証しているものではない。
初めに、総務省情報化アドバイザーの岡本真さんが「中立的な観点が必要なこと、検証可能性として出典元を明示すること、独自の研究は載せないこと」と説明。その後、10年以上ウィキペディアの更新を行う3人の講師が同館で開催中の郷土資料企画展「朝鮮通信使と牛窓」の資料を使って編集を行った。「朝鮮通信使」の項目では、昨年ユネスコ「世界の記憶」への登録がされたことを確認し、参考文献の追加を編集。当時の規模感を分かりやすく伝えるために朝鮮通信使の人数を追記するかどうかなどを話し合った。
同館館長の嶋田学さんは「知を記録する点ではウィキペディアタウンと図書館の目的は近い。瀬戸内市に興味を持ってもらえるきっかけになれば」と話す。
高校で図書室の司書をする参加者は「身近に建物や史跡があっても、詳しく知らないことが多い。興味があることを深めることは楽しい。出典元を明示することは大学に進学すれば必要になるので、学内でも伝えていきたい」と話した。